エクセルで数字を足し算したいのに、たくさんのデータの範囲指定に戸惑ったり、特定の条件に合うものだけを合計できずに困っていませんか?
あるいは、複数のシートに散らばった数字を効率よく集計する方法が分からず、一つずつ手作業で時間をかけているかもしれません。
そうした悩みは、エクセルにおける「足し算」と「範囲」のコツを掴めば解決することができます。
そこで、今回の記事では、基本的なSUM関数から、エクセルが自動で選択する範囲の確認と修正、複数の範囲やシートをまたいだ集計方法など、足し算の範囲のポイントやコツを解説します。
ぜひ参考になさってください。
エクセル操作情報
Excel(エクセル)で足し算する方法|入力基本から関数・エラー対処
Excel(エクセル)|印刷範囲を設定する方法|一部・区切り・A4ほか
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複数のセル範囲を足し算する時はSUM関数
エクセルで数字を足し算する方法はいくつかありますが、その中でもSUM関数は、複数のセルや広い範囲の数字を合計する際に非常に便利で、業務効率を格段に上げてくれる必須の機能です。
まずは基本的な足し算の方法から見ていきましょう。
基本の「足し算」は「+」記号で!
エクセルで足し算をする最も基本的な方法は、電卓と同じように「+(プラス)」記号を使うことです。
例えば、セル【A1】とセル【B1】に入力された数字を足したい場合は、合計を表示したいセルにこのように入力します。
=A1+B1
ポイントは、必ず式の先頭に「=(イコール)」を入力することです。
また、セル番地は、セルをクリックすると自動で入力されます。
これにより、エクセルはこれから計算式が入力されることを認識します。
数字を直接入力して足し算することもできます。
=100+250+500
これは簡単な足し算には便利ですが、もし元の数字が変わってしまった場合、数式を直接修正しなければなりません。
そのため、数字が入力されているセルを指定して計算する「セル参照」を使うのがおすすめです。
セル参照を使えば、元のセルに入力されている数字を変更しても、合計の数字は自動的に更新されます。
連続したセル範囲はSUM関数が断然早い!
セル【A1】からセル【A10】まで、たくさんの数字を合計したい場合を想像してみてください。
=A1+A2+A3+A4+A5+A6+A7+A8+A9+A10
と一つずつ入力するのは、とても大変で、入力ミスもしやすいですよね。
そこで登場するのがSUM関数です!
SUM関数を使えば、離れた場所にある複数のセルでも、連続した広い範囲のセルでも、一瞬で合計を出すことができます。
SUM関数の構文
SUM関数の構文は、
=SUM(数値1, [数値2], ...)
このようになっています。
引数の解説
- 数値1: 合計する最初の数値、セル参照、またはセル範囲を指定します。
- [数値2], ...:(省略可能)合計に含める追加の数値、セル参照、またはセル範囲を指定します。最大255個まで指定できます。
例えば、セル【A1】からセル【A10】までの連続したセル範囲を合計したい場合は、合計を表示したいセルにこのように入力します。
=SUM(A1:A10)
SUM関数は、「ホーム」タブの「編集」グループにある「オートSUM」をクリックすると「=SUM(」と入力することができます。
そのあとに、セル【A1】からセル【A10】までをドラッグすることで入力が可能です。
引数の「A1:A10」というのは、「セル【A1】からセル【A10】まで」という連続した範囲を示しています。
これだけで、指定した範囲内のすべての数字を合計してくれるので、非常に効率的です。
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SUMを押すとセル範囲が自動で選択される
エクセルでSUM関数を使う最も簡単な方法の一つが、「オートSUM」ボタンの活用です。
このボタンを使うと、エクセルが隣接するセル範囲を自動で認識し、合計対象として提案してくれます。
これは非常に便利な機能ですが、時には意図しない範囲が選択されてしまうこともあるため、注意が必要です。
セル範囲を選択した場合はコロンで選択した範囲が分かるように表示される
エクセルで合計を求めたいセルをクリックし、「ホーム」タブの「編集」グループにある「オートSUM」(Σのマーク)ボタンを押すと、エクセルは自動的に上や左にある数字の連続した範囲を予測し、点線で囲んで表示してくれます。
このとき、数式バーやセルに表示されるのが「A1:E1」のような表記です。
これは「セル【A1】からセル【E1】まで」という、連続したセル範囲を意味します。
コロン「:」が「~から~まで」という範囲を意味しているんですね。
例えば、下の表で「目標」の合計を求める場合を考えてみましょう。
このデータを使って、各店舗の「売上目標」の合計をセル【B7】に出したいとします。
まず、合計を表示したいセル【B7】をクリックします。
次に、「ホーム」タブの「編集」グループにある「オートSUM」(Σのマーク)ボタンをクリックします。
すると、エクセルは自動的に上にある数字の連続した範囲(この場合はセル【B2】からセル【B6】)を提案し、数式バーに「=SUM(B2:B6)」と表示されます。
この自動選択された範囲が正しいことを確認し、「Enter」キーを押すと、セル【B7】に「売上目標」の合計が表示されます。
あとは、セル【B7】の結果を横方向にコピーすれば、その他のセルにも同じ範囲の結果を表示することができます。
自動で選択されるセル範囲は正しいとは限らない
「オートSUM」ボタンは非常に便利ですが、エクセルが自動で提案してくれる範囲は、常に正しいとは限りません。
特に、合計したい数値のすぐ隣に、計算には必要ない数値が入っている場合などは注意が必要です。
先ほどの表を使って、「A店」の1月~3月の売上合計を計算する例を見てみましょう。
セル【F2】にA店の合計を出したいとします。
セル【F2】をクリックし、「ホーム」タブの「編集」グループにある「オートSUM」(Σのマーク)ボタンをクリックします。
すると、エクセルは自動的に左側にある数字の連続した範囲を提案します。
このとき、セル【B2】(売上目標の「1200」)からセル【E2】(3月の「480」)までが自動選択されてしまいます。
しかし、今回合計したいのは「1月」「2月」「3月」の売上だけです。「売上目標」は含めたくありませんよね。
そこで、自動選択された範囲が点線で囲まれている状態で、マウスを使ってセル【C2】からセル【E2】までの正しい範囲(1月~3月の売上)をドラッグして選択し直します。
正しい範囲を選択し直して「Enter」キーを押すと、セル【F2】に正しい合計が表示されます。
この場合の数式は「=SUM(C2:E2)」となります。
セル【F2】の結果を下方向にコピーすれば、その他のセルにも同じ範囲の結果を表示することができます。
このように、オートSUMで自動選択された範囲は必ず目で確認し、必要に応じて修正するようにしましょう。
SUM関数で範囲選択をしたときに、セル左上に緑色の三角が表示される
エクセルの数式を入力した際、セルの左上に緑色の小さな三角マークが表示されることがあります。
これは、エクセルが「あれ?この数式、もしかして意図した範囲と違うかも?」と警告を出しているサインです。
先ほどの「A店」の例で、オートSUMで自動選択された範囲(セル【C2】からセル【E2】)のまま「Enter」を押してしまった場合などに、この緑の三角が表示されることがあります。
これは、エクセルが「この数式のすぐ隣には数字があるのに、合計範囲に含まれていないけど、大丈夫ですか?」と教えてくれているのです。
緑の三角が表示されたセルをクリックすると、通常、その隣に黄色いひし形の警告アイコンが現れます。
このアイコンにマウスカーソルを合わせると、「数式は隣接したセルを使用していません」といったメッセージが表示されます。
今回のような場合は、参照しているセルに間違いはないので、そのまま三角の表示を放っておいても問題はありません。
気になる場合は、緑色の三角が表示されているセル範囲を選択し、メニューの一覧から「エラーを無視する」を選択することで、エクセルからの警告を無視し、緑の三角を消すことができます。
※この緑の三角は「エラー」ではなく、「もしかしたら入力ミスがあるかもしれないよ」という「警告」です。
なので、意図的にその範囲を選んでいなかったり、特定の列を合計に含めない方針であれば、エラーを無視しても問題ありません。
しかし、中には、範囲選択のミスを示している可能性もあるため、一度確認してみるといいでしょう。
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範囲選択をしてからSUM関数を使用する
エクセルでSUM関数を使う際、数式を入力するセルを選んでから「オートSUM」ボタンを押すのが一般的ですが、実は先に合計したい範囲を選んでからSUM関数を使う方法もあります。
この方法は、複数の合計を一度に出したいときに非常に便利です。
縦方向または横方向のセル範囲の足し算をまとめて行う
複数の合計をまとめて出したい場合は、計算結果を表示したいセルも含めて、先に範囲を選択しておくことができます。
縦方向の合計をまとめて出す
例えば、上の表の「1月」「2月」「3月」それぞれの月別合計を、表の一番下の「合計」行(セル【B7】からセル【D7】)にまとめて出したいとします。
まず、合計を出したい範囲(セル【B7】からセル【D7】)を選択します。
次に、「ホーム」タブの「編集」グループにある「オートSUM」(Σのマーク)ボタンをクリックします。
すると、選択したセル【B7】、【C7】、【D7】に、それぞれの列の合計がまとめて表示されます。
横方向の合計をまとめて出す
同様に、各店舗の「合計」売上を、表の右端の「合計」列(セル【E2】からセル【E7】)にまとめて出したい場合も同じように操作します。
まず、合計を出したい範囲(セル【E2】からセル【E7】)を選択します。
次に、「ホーム」タブの「編集」グループにある「オートSUM」(Σのマーク)ボタンをクリックします。
すると、選択したセル【E2】からセル【E7】に、それぞれの行の合計がまとめて表示されます。
この方法は、たくさんの合計を一度に計算したい場合に、一つずつ数式を入力したりオートSUMを押したりする手間が省けて非常に効率的です。
縦方向と横方向も一気に選択した範囲の足し算をすることができる
さらに、縦方向の合計と横方向の合計を、一度の操作でまとめて出すこともできます。
先ほどの表で、月別合計と店舗別合計の両方を一気に計算したい場合を見てみましょう。
まず、合計を出したいすべてのセルを含む範囲を選択します。
この場合は、数値が入力されているセル【B2】からセル【D6】に加え、合計を表示したいセル【B7】からセル【D7】(月別合計の行)と、セル【E2】からセル【E7】(店舗別合計の列と総合計のセル)をまとめて選択します。
つまり、合計が出したい空白セルも含めて、セル【B2】からセル【E7】までを一気に選択する必要があります。
次に、「ホーム」タブの「編集」グループにある「オートSUM」(Σのマーク)ボタンをクリックします。
すると、各月の合計が「合計」行に、各店舗の合計が「合計」列に、そして表全体の総合計が右下のセル【E7】に、すべてまとめて表示されます。
応用:ショートカットキーで範囲をまとめて選択する
さらに効率を上げるために、ショートカットキーを使うと、広範囲の表も簡単に選択できます。
まず、表内のどこか数値が入力されているセルを1つだけクリックします。
キーボードの「Ctrl」キーを押しながら「A」キーを押します(Ctrl+A)。
すると、エクセルが自動的に数値が入力されている連続した表の範囲をすべて選択してくれます。
この時、合計行や合計列が空白でも、エクセルが表の一部と認識して選択してくれます。
範囲が選択された状態で、「ホーム」タブの「編集」グループにある「オートSUM」(Σのマーク)ボタンをクリックします。
これで、数値の入ったセル範囲を参照して、縦方向と横方向の足し算の合計が一度にまとめて計算されます。
ショートカットキーをうまく使えば、広範囲にわたるデータの集計も、あっという間に完了できるようになります。
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SUM関数は複数のセル範囲を指定が可能
これまでの解説では、SUM関数で連続した一つのセル範囲を合計する方法を見てきました。
しかし、エクセルでは、離れた場所にある複数のセル範囲をまとめて合計することも可能です。
例えば、下の画像のような学年ごとの人数データで、全校生徒数を計算したい場合を考えてみましょう。
この表では、Aチーム、Bチーム、Cチームと、学年が分かれて入力されています。
各チームの合計はすでに計算されていますが、全校生徒数を出すには、これらの合計値(セル【A6:B6】、セル【C6:D6】、セル【E6:F6】)をすべて足し合わせる必要があります。
このような場合、SUM関数の引数に、カンマ(,)で区切って複数のセル範囲を指定することで、簡単に合計を出すことができます。
全校生徒数を表示するセル【A9】に、「=SUM(A6:B6,C6:D6,E6:F6)」と入力します。
「オートSUM」を押した後に、セル【A6:B6】を選択して半角カンマを入力、続けてセル【C6:D6】を選択・・・というように入力しましょう。
これらの離れた3つの範囲をカンマで区切って指定することで、それぞれの合計値をすべて足し合わせ、セル【A9】に全校生徒数の総合計が表示されます。
このように、SUM関数は連続した範囲だけでなく、離れた複数の範囲もまとめて合計できる非常に柔軟な関数です。
空白のセル範囲も選択しておくと便利
エクセルで資料を作成する際、まだすべてのデータが入力されていないけれど、将来的に数値が追加されることが分かっている表がありますよね。
例えば、毎日の売上を入力する表や、注文書の内訳などです。
このような場合、あらかじめ将来的にデータが入力される予定の空白セルも含めてSUM関数の範囲に指定しておくと、非常に便利です。
どういうことかというと、合計を表示するセルにSUM関数を設定する際に、現時点では数値が入っていない空白のセルまでを範囲として含めておくのです。
メリットは「自動更新」
この方法の最大のメリットは、後からデータが入力されたときに、自動的に合計値が更新される点にあります。
例えば、簡単な注文書を考えてみましょう。
この「金額」の合計を出すセル【D6】にSUM関数を設定するとします。
現時点ではりんごとバナナの2行分しかデータがありませんが、今後3行目、4行目にも商品が追加される可能性があります。
この場合、合計のセル【D6】に、以下のように数式を入力しておきます。
この数式では、まだ何も入力されていないセル【D4】やセル【D5】も合計範囲に含めています。
この状態で、後から新しいデータを入力すると、自動的に足し算に加算されます。
後から手動で合計範囲を広げ直す手間が省けるため、日常的にデータが追加されるような管理表や帳票を作成する際に非常に有効なテクニックです。
複数のシートの範囲を足し算する方法
エクセルを使っていると、A店、B店、C店のように、同じ形式のデータが複数のシートに分かれて入力されていることがありますよね。
このような場合に、それぞれのシートの同じ場所にあるデータをまとめて合計したい、というニーズは非常に多く発生します。
エクセルでは、複数のシートにまたがる範囲を一度に足し算する「シート間集計」という便利な機能があります。
例として、化粧品店の「化粧水」「乳液」「クリーム」の各商品の売上が、店舗別にシートに分かれているケースを考えてみましょう。
以下の3店舗(A店、B店、C店)の売上データと、集計用の「全店舗合計」シートを用意しています。
今回は例として、「化粧水」の第1週目の全店舗合計を「全店舗合計」シートのセル【B2】に出す手順を解説します。
「全店舗合計」シートのセル【B2】をクリックします。
「オートSUM」ボタンをクリックし、「=SUM(」と入力します。
「A店」シートをクリックします。
「A店」シートのセル【B2】(第1週の化粧水の売上)をクリックします。
「=SUM('A店'!B2」と表示されます。
キーボードの「Shift」キーを押しながら、「C店」シートのタブをクリックします。
これで、「A店」シートから「C店」シートまでのすべてのシートが選択された状態になり、数式は「=SUM('A店:C店'!B2」と表示されます。
「Enter」キーを押します。
これで、セル【B2】に、A店・B店・C店の「化粧水」の第1週目の合計売上が表示されます。
あとは、これをオートフィルで他のセルにコピーします。
これで、相対参照ですべてのセルに結果が表示され、A店からC店までの範囲の合計を出すことができます。
選択範囲から条件に一致したデータを足し算
エクセルでデータを集計する際、「特定の条件に合うものだけを合計したい」という場面はよくあります。
例えば、「特定の商品だけ」「特定の日付だけ」「特定の担当者だけ」といった条件で売上を合計したい場合などです。
このような場合に活躍するのが、SUMIF関数とSUMIFS関数です。
SUMIF関数を使用する
SUMIF関数は、一つの条件に一致するデータだけを合計したいときに使用します。
SUMIF関数の構文は
=SUMIF(範囲, 検索条件, 合計範囲)
このようになっています。
引数の解説
- 範囲:検索したい条件が含まれている範囲を指定します。
- 検索条件:範囲内で検索する条件を指定します。数値、文字列、セル参照、または式で指定できます。
- 合計範囲:実際に合計したい値が入力されているセル範囲を指定します。
下記の例を見てみましょう。
このデータを使って、「商品名が化粧水の売上合計」を計算する場合、「=SUMIF(B2:B9,"化粧水",D2:D9)」と入力します。
これで、セル【B2:B9】の範囲で『化粧水』という文字を探し、セル【D2:D9】の範囲にある化粧水と同じ行にある数値を合計することができます。
SUMIF関数の詳しい解説については、下記の記事をご覧下さい。
Excel|SUMIF関数使い方|条件に合った値の合計を出す
複数の条件の場合はSUMIFS関数を使用する
SUMIFS関数は、複数の条件をすべて満たすデータだけを合計したいときに使用します。
例えば、「商品名が化粧水」かつ「担当者が佐藤」の売上合計、といった複数の条件を組み合わせたい場合に便利です。
SUMIFS関数の構文は、
=SUMIFS(合計対象範囲 , 条件範囲1 , 条件1 , 条件範囲2 , 条件2 , ...)
このようになっています。
引数の解説
- 合計対象範囲:実際に合計したい値が入力されたセル範囲を指定します。
- 検索条件範囲1:1つ目の条件を検索するセル範囲を指定します。
- 検索条件1:1つ目の条件範囲から検索したい条件を指定します。
- 検索条件範囲2, 検索条件2, ...: (省略可能)2つ目以降の検索条件範囲と検索条件のペアを指定します。最大127組まで指定できます。
先ほどのデータを使って、「商品名が化粧水」かつ「担当者が佐藤」の売上合計を計算する場合は、「=SUMIFS(D2:D9,B2:B9,"化粧水",C2:C9,"佐藤")」となるように入力します。
これで、セル【B2:B9】の範囲で『化粧水』という文字を探し、【C2:C9】の範囲で『佐藤』という文字を探し、セル【D2:D9】の範囲にある両方の条件に該当した数値を合計することができます。
SUMIFS関数の詳しい解説については、下記の記事をご覧下さい。
Excel(エクセル) | SUMIFS関数の使い方 | 複数条件の合計方法
選択した範囲が「足し算できない」例
エクセルで「合計」と聞くと、ついSUM関数を連想しがちです。
しかし、実はデータによってはSUM関数ではうまく「足し算」ができない、あるいは意図した結果にならない場合があります。
これは、「数える」ことと「合計する」ことを混同してしまう傾向があるためです。
例えば、名簿に名前が入力されているセルの数を数えて「人数」を出したいのに、SUM関数を使ってしまったりすることがあります。
SUM関数はあくまで「数値」を足し合わせる関数なので、文字列が入力されたセルを合計しようとしても、期待する結果は得られません。
ここでは、「足し算」ではなく「数える」必要がある場面と、それに適した関数を紹介します。
提出済の人数を数えたい → COUNTA関数
「提出済」などの印として文字が入力されているセルの数を数えたい場合は、COUNTA関数を使用します。
COUNTA関数は、指定した範囲内で空白ではないセル(数値、文字、記号など、何らかのデータが入力されているセル)の個数を数えます。
COUNTA関数の構文→=COUNTA(値1, [値2], ...)
引数では、個数を数えたい最初の値、セル参照、またはセル範囲を指定します。
下記の例を見てみましょう。
「提出済」として「〇」が入力されている人数(=空白ではないセルの数)を数える場合は、「=COUNTA(B2:B6)」となるように入力します。
これで、提出済みの人数が表示されます。
COUNTA関数の詳しい解説については、下記の記事をご覧下さい。
個数を数える関数|COUNTA・COUNT|違いもわかりやすく解説
試験を受けた人数を数えたい → COUNT関数
もし、範囲内の数値が入力されているセルの個数だけを数えたい場合は、COUNT関数を使用します。
COUNT関数は、指定した範囲内で数値が入力されているセルのみを数えます。空白のセルや文字列が入力されているセルはカウントしません。
COUNT関数の構文→=COUNT(値1, [値2], ...)
引数では、個数を数えたい最初の値、セル参照、またはセル範囲を指定します。
下記の例を見てみましょう。
「試験を受けた人数」(=点数が入力されているセルの個数)を数える場合は、「=COUNT(B2:B6)」となるように入力します。
これで、試験を受けた人数が表示されます。
COUNT関数の詳しい解説については、下記の記事をご覧下さい。
特定の条件に合う回数を数えたい → COUNTIF関数
さらに、「〇〇という文字が入力されているセルの数を数えたい」「〇〇以上の数値が入力されているセルの数を数えたい」など、特定の条件に合うセルの個数を数えたい場合は、COUNTIF関数を使用します。
COUNTIF関数の構文→=COUNTIF(範囲, 検索条件)
引数は、
- 範囲:個数を数えたいセル範囲を指定します。
- 検索条件:範囲内で検索する条件を指定します。数値、文字列、セル参照、または式で指定できます。
下記の例を見てみましょう。
「休んだ回数」(=「欠席」のセルの個数)を数える場合は、「=COUNTIF(B2:B6,"欠席")」となるように入力します。
これで、休んだ人数が表示されます。
COUNTIF関数の詳しい解説については、下記の記事をご覧下さい。
COUNTIF・COUNTIFS関数 使い方 | 複数条件指定 | ワイルドカード | 以外 | 空白
「足し算」と「範囲」をマスターして集計作業を効率化
いかがでしたか?
エクセルにおける「足し算」は、単に+記号を使うだけの簡単な計算にとどまりません。
連続したセルや離れたセル、さらには複数のシートにまたがる広範なデータまで、あらゆる「範囲」を自在に操作して集計することができます。
基本となるSUM関数は、隣接するセル範囲を瞬時に合計することができ、オートSUM機能を活用すれば素早く計算できますが、自動で選択する範囲が常に正しいとは限らないため、必ず確認をすることがポイントです。
また、数式を入力する前に合計したい「範囲」をあらかじめ選択してからオートSUMを使う方法は、縦方向や横方向、あるいは縦横両方の合計を一気に計算できるため、大量のデータを扱う際に非常に有効です。
将来入力されるであろう空白セルも含めて範囲を指定しておくことで、後からのデータ追加にも自動で対応できる柔軟性も持ち合わせています。
さらに、SUMIF関数やSUMIFS関数を使いこなせば、「〇〇の売上だけ」「△△担当者のデータだけ」といった特定の「条件」に合致するデータのみを「範囲」から抽出し、正確に合計することが可能です。
エクセルで「足し算」をしたい時は、それが「数値の合計」なのか、「数える」作業なのかを分けて考えると操作がしやすくなります。
COUNTA関数、COUNT関数、COUNTIF関数といった関数の特長も併せて理解しておくと良いですね。
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