「エクセルで合計を出したのに、なぜか1円だけ合わない…」そんな経験はありませんか?
一見単純な足し算のはずなのに、どこかで誤差が生じてしまい、原因がわからず作業の手が止まってしまうことがあります。
特に、金額や請求書、経費精算といった正確さが求められる場面では、この「1円のズレ」はとても厄介です。
セルの表示は整数に見えても、実は小数点以下の数値が残っていたり、見えないデータや形式の違いが原因になっていることも少なくありません。
ですが、エクセルにはこうした誤差をうまく処理するための方法がいくつも用意されています。
関数や表示形式を理解し、適切に使い分けることができれば、「1円が合わない」問題をスマートに解決でき、作業効率も格段にアップします。
そこで今回の記事では、「エクセルの足し算で1円合わない原因」とその対処法について、わかりやすく紹介します。
ぜひ参考になさってください。
エクセル操作情報
Excel(エクセル)で足し算と掛け算を混合で計算する基本と応用法
エクセル|足し算で飛び飛びの計算をする方法|四則演算・関数の活用を紹介
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エクセルの足し算で1円合わない原因
小数点以下の値の影響
「ちゃんと足したはずなのに、なぜか合計が1円だけ合わない…」そんな経験はありませんか?
これはエクセルを使っているとよくあることで、特に「小数点以下の値」が原因になっている場合が多いです。
一見、すべての数値が整数(小数点なし)に見えていても、実は中身は小数点以下の値を持っていることがあります。
そのため、合計を出すと、表示上は「ピッタリのはず」なのに、計算結果では「1円多い・少ない」といったズレが出るのです。
下記の例を見てみましょう。
セル【A2】からセル【A6】まで数値が入力されています。
セル【A7】に「=SUM(A2:A6)」と数式を入力して合計を求めています。
合計を求めた結果、「100+99+100+100+100=499」になるはずが「500」と表示されてしまいました。
実際に、セル【A2】を選択して、数式バーを確認すると「100」ではなく「100.4」と表示されていることが分かります。
※今回は、セルに直接数値を入力して値が「100.4」だという事を確認することができますが、セルに入力された数式の結果に小数点以下の数値が含まれていた場合は、数式バーを確認しても実際の数値を確認することはできません。
小数点以下の数値を確認する方法
小数点以下の値が含まれているかを確認するには、まずセルの表示形式を変更してみましょう。
数値が入力されたセル範囲を選択します。
今回は、SUM関数を使用したセル【A7】も含めて選択しています。
次に、「ホーム」タブの「数値」グループにある「表示形式」ボタンをクリックします。
「セルの書式設定」ダイアログボックスが表示されます。
「表示形式」タブを選択し、分類から「数値」を選択します。
次に「小数点以下の桁数」に「1」や「2」などを設定し、最後に「OK」をクリックします。
これで、見た目ではわからなかった「100.4」や「99.4」などの小数点以下の値を確認することができます。
SUM関数の結果も「500」ではなく正しくは「500.4」であることが分かります。
このように、「1円合わない」原因の多くは小数点以下の見えない数字によるものです。
表示形式を変えて確認するだけでも、誤差の原因がすぐにわかることがあります。
「なぜか1円合わない…」と悩んだときは、まず 表示形式と小数点以下の値をチェックしてみましょう。
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文字列や隠れセルの影響
「ちゃんと数字を入力しているのに、なぜか合計が合わない…」このような場合、数値が「文字列」として扱われていたり、見えない「隠れセル」が影響していることがあります。
下記の例を見てみましょう。
見た目はすべて「100」と表示されていて、合計は「500」になるはずです。しかし、結果が合いません。
実は、4行目の【A4】だけが「文字列」として入力されている数値なのです。
【A4】には「'100」と入力されています(先頭に「'」(シングルクォーテーション)がついている)
このようなセルは見た目は数字でも、Excelは文字列として認識してしまうため、SUM関数などで計算すると無視される可能性があり、合計がずれてしまうことがあります。
対処法:データの形式を確認する
数値が文字列になっていないかを確認するには、以下の方法を試してみてください。
表示形式が「文字列」になっているセルまたはセル範囲を選択し、「ホーム」タブの「数値」グループにある「数値の書式」の「v」をクリックします。
一覧から「標準」を選択します。
表示形式を「標準」に直しましたが、数式バーには「'100」と入力されているため、再度「100」とデータを入力し直します。
これで、値が入力されたすべてのセルの表示形式が「標準」になり、合計の結果が正しく表示されました。
そのほかにもこんなところを確認
隠れたセルや行をチェックする
合計の元になっているデータの中に、非表示(行や列を非表示にしている)セルが含まれていることがあります。
見た目では表示されていないため、データが少ないと思っていたのに、実は多くのセルが計算対象になっていた…というケースもあります。
Excel画面の左端の表番号を確認して、番号が飛んでいる所は非表示になっています。
左上の「三角形」マークをクリックし、シート全体を選択します。
「ホーム」タブ の「セル」グループにある「書式」をクリックします。
一覧から「非表示/再表示」を選択し、続いて「行の再表示」をクリックします。
これで、非表示になっていたすべての行を再表示することができました。
すべてのデータが確認できることで、数式が正しかったことが確認できます。
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足し算で1円合わないときの解決方法
ROUND関数を使った方法
「ちゃんと計算しているはずなのに、合計が1円だけ合わない…」それは、消費税の計算で出た小数点以下の端数が原因かもしれません。
たとえば、189円の商品に10%の消費税をかけると、189 × 10% = 18.9円 になります。
このような端数がいくつも重なると、最終的な合計金額で「1円」程度の誤差が発生することがあります。
このようなときに便利なのが、ROUND関数です。
ROUND関数とは、数値を指定した桁数で四捨五入する関数です。
ROUND関数の構文は
=ROUND(数値, 桁数)
となっています。
各引数は、
- 数値:四捨五入したい数(計算式も可)
- 桁数:四捨五入する位置
→「0」なら整数、「1」なら小数第1位まで、「-1」なら10の位で四捨五入
このようになります。
先ほどの消費税額の列にROUND関数を使ってみましょう。
セル【D2】に「=ROUND(B2*C2, 0)」となるように入力し、「Enter」キーを押して確定します。
セル【D2】の数式を下のセルにオートフィルでコピーします。
これで、すべての消費税額が整数になりました。
これによって、合計の金額も合いました。
ROUND関数は、合計を求める時にも使うことができます。
例えば、今回の例であれば、セル【E7】に「=ROUND(SUM(E2:E6), 0)」となるように入力することで、合計全体を整数に整えることも可能です。
ROUND関数の使い方については、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
Excel(エクセル)で四捨五入する方法|ROUND関数の基本から応用まで
ROUNDUP関数を使った方法
ROUNDUP関数とは、数値を指定した桁数で切り上げる関数です。
小数点以下がどれだけ小さくても、必ず上に丸めるのが特徴です。
ROUNDUP関数の構文は
=ROUNDUP(数値, 桁数)
このようになっています。
各引数は、
- 数値:切り上げたい数値(または計算式)
- 桁数:
- 0 → 小数点以下をすべて切り上げて整数に
- 1 → 小数第1位まで残して切り上げ
- -1 → 10の位で切り上げ(例:121 → 130)
このようになります。
活用場面
【1】端数を切り上げて請求するケース
→ 請求金額を1円単位で切り上げておきたいとき
→ 例:18.1円の税額 → 19円で処理
【2】余裕を持たせた見積もりをしたい場合
→ 材料費や工数など、余裕をもたせて多めに見積もる必要がある場合に便利
【3】1円未満の誤差を避けたいとき
→ 合計が小数でズレる場合に、あえて切り上げることで「1円足りない」を回避
使用例(合計に使用する場合)
「=ROUNDUP(SUM(A1:A10), 0)」
このように使うことで、合計が小数になった場合でも必ず1つ上の整数に切り上げて表示できます。
「少し多めに請求したい」「1円単位で足りないのを避けたい」という時に有効です。
ROUNDUP関数の使い方については、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
Excel(エクセル)|ROUNDUP関数で数値を切り上げする方法
ROUNDDOWN関数を使った方法
「ROUNDDOWN」関数は、数値を指定した桁数で切り捨てる関数です。
小数点以下を常に切り捨てるため、値が大きくなることはありません。
ROUNDDOWN関数の構文は
=ROUNDDOWN(数値, 桁数)
このようになっています。
各引数は、
- 数値:切り捨てたい数値や計算式
- 桁数:残したい桁数(0なら整数)
このようになります。
活用場面
【1】過剰な請求を避ける場合
→ 消費者向けの表示価格で、端数を落として割安に見せたいときなどに便利
【2】会計上、慎重に見積もる必要がある場面
→ 企業や経理処理で、「控えめに表示」することが求められる場合に
【3】切り上げによる誤差を避けたい
→ あえて合計を少なめにして「ズレを自分で吸収」する目的で使うケースもあります
使用例(合計に使用する場合)
「=ROUNDDOWN(SUM(A1:A10), 0)」
これにより、合計値が小数点以下だったとしても必ず切り捨てられ、整数として表示されます。
ROUNDDOWN関数の使い方については、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
Excel(エクセル)|ROUNDDOWN関数で切り捨てする方法|基本から応用
ROUND / ROUNDUP / ROUNDDOWN の使い分け
関数名 | 特徴 | 主な用途 |
ROUND | 四捨五入(もっとも自然) | 一般的な金額処理・整形 |
ROUNDUP | 必ず切り上げ | 安全見積・余裕をもたせる |
ROUNDDOWN | 必ず切り捨て | 割安表示・控えめな処理 |
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INT関数を使った方法
「INT」関数は、数値の整数部分のみを取り出す関数です。
小数点以下はすべて切り捨てられ、マイナスの数値にも対応します。
INT関数の構文は
=INT(数値)
このようになっています。
引数は、
数値:整数にしたい数値や計算式(例:SUM(A1:A10))
このようになります。
ROUNDやROUNDDOWNとの違い
関数名 | 処理 | 例:18.9 の結果 |
ROUND | 四捨五入 | 19 |
ROUNDDOWN | 指定桁で切り捨て | 18 |
INT | 整数部分のみ取得(必ず下方向) | 18 |
INTとROUNDDOWNは似ていますが、INTは常に整数部分を返すため、桁数の指定が不要でシンプルです。
※負の数は INT(-18.9) → -19 になります。
INT関数のメリット
- 桁数を指定せず、シンプルに整数だけを使いたいときに便利
- 関数の構文がシンプルなので、初心者でも扱いやすい
- 見積もりや請求などで「小数点以下を完全に無視」したいときに適している
- 合計金額のブレを吸収するのではなく、意図的に切り捨てて安定させる
活用シーンの例
- 請求書や伝票で、1円未満を表示したくない場合
- 税込金額の小数点以下を無視して処理したいとき
- 軽減税率や複数税率で発生する端数の合算による「1円合わない」問題を手早く処理したいとき
活用方法
下記の例を見てみましょう。
商品ごとに税込価格を出したあと、合計にINT関数を使って整数に変換する例です。
税率によって発生する端数によって「1円ズレる」現象を、INT関数で解消します。
小数点以下の表示を無くすと、1円ズレて表示されることが分かります。
セル【E7】に「=INT(SUM(E2:E6))」となるように入力します。
これで簡単に小数点以下を切り捨てることができました。
INT関数は、「小数点以下は気にしない」「計算を簡単に済ませたい」といった場面でとても便利です。
ROUND関数やROUNDDOWN関数に比べて、桁数の指定をしなくていいため、構文がシンプルなので、エクセル初心者の方にも扱いやすいです。
「何か1つだけ覚えたい」という方は、まずはINT関数からチャレンジしてみましょう。
1円のズレを防ぐためのポイント
いかがでしたか?
エクセルで「合計が1円合わない」という問題に直面したとき、原因を理解し、適切に対処できるかどうかで作業の正確さや信頼性は大きく変わります。
今回ご紹介したように、小数点以下の見えない数値や、文字列の混在、隠れたセルなど、エクセルには一見わかりづらい落とし穴がいくつか存在します。
これらを理解しないまま計算を続けてしまうと、原因不明の誤差に頭を悩ませることになります。
ROUND、ROUNDUP、ROUNDDOWN、INTといった関数を活用することで、そうした誤差をコントロールし、自分の意図に合った形で計算結果を整えることができます。
どの関数にも特長があり、「四捨五入して揃える」「切り上げ・切り捨てでコントロールする」「単純に整数だけ使う」など、目的や運用方針によって使い分けが可能です。
特に請求書や帳票作成のような実務では、端数の扱いは非常に重要であり、正しく関数を使いこなせることでトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
ただし、どの方法を使うのが正解かは業種や取引先、社内ルールによって異なります。
そのため、実際の運用では関数の使い方だけでなく、「社内でどう処理すべきか」を事前に確認することがとても重要です。
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