「チェックボックスを使って管理したいのに、うまくセルと連動できない…」「集計に使いたいけど、どうやって関数と組み合わせたらいいのかわからない…」そんなお悩みはありませんか？
Excel(エクセル)のチェックボックスは便利そうに見えて、実際に使おうとすると「作り方がわからない」「うまく動かない」「思ったような見た目にならない」とつまずいてしまう方が多いものです。
しかし、基本の操作方法と少しのコツを知っておけば、チェックボックスは作業効率をぐんと高めてくれる心強いツールになります。
たとえば、ToDoリストや在庫チェック、購入リストなども、チェックを入れるだけで「完了した項目の集計」や「合計金額の自動計算」ができるようになります。
そこで今回の記事では、エクセルのチェックボックスの基本から、セルとの連動、関数を使った応用テクニックまでわかりやすく紹介します。
ぜひ参考になさってください。
エクセル操作情報
Excel(エクセル)｜チェックボックス(レ点)の作成や削除方法解説
Excel(エクセル)のチェックボックスの大きさを自由に変更する方法
Excelでチェックボックスの操作って難しい…
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エクセルのチェックボックスとは？
Excel(エクセル)で「チェックボックス」という機能を使うと、セルの中に「✓（チェックマーク）」を付けたり外したりできる小さなボタンを設置できます。
これにより、やることリスト（ToDoリスト）やアンケート、在庫管理など、さまざまな場面で便利に使うことができます。
チェックボックスとは何か？
チェックボックスとは、小さな四角いボタンで、「✓（チェック）」が入っているかどうかで、「はい／いいえ」や「完了／未完了」などの状態をわかりやすく表示することができます。
たとえば、紙のアンケートで「□ はい」「□ いいえ」などに✓を入れる場面を思い出してみてください。
あれと同じようなことが、エクセル上でもできるのが「チェックボックス」です。
エクセルでは、このチェックボックスを使って「✓を入れると背景の色が変わる」「✓を入れると別のセルに「済」と表示される」といったように、他のセルと連動させることもできます。
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チェックボックスの用途とメリット
チェックボックスは、エクセルで以下のような場面で使うことができます。
■やることリスト（ToDoリスト）の作成
作業の進み具合を一目で確認できるようになります。
✓を付ければ「終わった」、外せば「まだ」と判断できるので、管理がとても楽になります。
■入力ミスを減らせる
「✓を入れるだけ」なので、文字を打ち間違える心配がありません。
入力が簡単で、誰でも扱いやすいのが大きなメリットです。
■条件に応じた動作が可能（連動）
チェックボックスに✓を入れたときに、他のセルの内容を自動で変えるように設定することができます。
たとえば、✓を入れたら「完了」と表示するなど、より便利に使えます。
■見た目もわかりやすくなる
一覧表に✓が並んでいると、状態が一目でわかります。
文字だけよりも視覚的に整理され、見やすい表を作ることができます。
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チェックボックスの作成手順
開発タブの表示方法
チェックボックスは「開発」タブの中にある機能です。
しかし、初期設定ではこの「開発」タブは表示されていません。
まずは、「開発」タブを表示させましょう。
- 「ファイル」タブをクリックします。
- 左側のメニューから「オプション」をクリックします。
- 「Excelのオプション」ダイアログボックスが開いたら、左側の「リボンのユーザー設定」をクリックします。
- 右側の一覧にある「開発」にチェックを入れます。
- 「OK」をクリックしてダイアログボックスを閉じます。
これで、「開発」タブがエクセル画面の上部に表示されるようになります。
「開発」タブの表示方法の詳しい解説は、下記の記事をご覧ください。
Excel(エクセル)｜チェックボックス(レ点)の作成や削除方法解説
チェックボックスの挿入方法
- 「開発」タブをクリックします。
- 「コントロール」グループの中にある「挿入」をクリックします。
- 「フォームコントロール」の中にある「チェックボックス」をクリックします。
- エクセルのシート上で、チェックボックスを置きたい場所をクリックします。
これで、シート上にチェックボックスが表示されます。
チェックボックスの詳しい作成手順については、下記の記事で解説していますのでご覧ください。
Excel(エクセル)｜チェックボックス(レ点)の作成や削除方法解説
チェックボックスの編集方法
挿入したチェックボックスは、そのままだと「チェック ボックス 1」などの名前が付いています。
この表示を変更したり、位置を調整したりすることができます。
表示されている文字（ラベル）を変更する方法
- チェックボックスの上で右クリックします。
- メニューが出たら、チェックボックスの文字部分をもう一度クリックします（編集モードになります）。
- 好きな文字に書き換え、Enterキーを押して確定します。
チェックボックスを動かす（位置を変える）方法
チェックボックスの枠線（外側）を右クリックしてドラッグすれば、好きな場所に移動できます。
チェックボックスを削除する方法
チェックボックスを右クリックして、「Delete」キーを押すと削除できます。
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チェックボックスとセルの連動方法
それでは、チェックボックスとセルを連動させる手順と、連動による基本的な活用方法について紹介します。
チェックボックスをセルに埋め込む方法
チェックボックスは、そのままではセルの上に“浮いている”状態です。
見た目を整えたり、連動させやすくするために、セルの中にぴったり重ねて配置しましょう。
- チェックボックスを右クリックして、枠線が表示された状態にします。
- 枠線をドラッグして、配置したいセルの中にサイズを合わせて調整します。
- 右クリックして、メニューの一覧から「コントロールの書式設定」をクリックします。
- 「プロパティ」タブを開き、「セルに合わせて移動やサイズ変更をする」にチェックを入れます。
- 「OK」をクリックします。
こうすることで、セルのサイズを変えたりコピーしたときにも、チェックボックスが一緒に動くようになります。
チェックボックスをセルに埋め込む手順については、下記の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
Excel(エクセル)でチェックボックスを埋め込む方法をわかりやすく解説！
チェックボックスをONにしたセルを塗りつぶす方法
チェックボックスに✓が入ったら、指定したセルの背景色を自動で変えるように設定するには、「リンクするセル」と「条件付き書式」を使います。
チェックボックスにリンクするセルを設定する
チェックボックスを右クリックして、「コントロールの書式設定」をクリックします。
- 「コントロール」タブを開きます。
- 「リンクするセル」の欄に、セル【C2】などチェック結果を記録するセルを指定します。
- 「OK」をクリックします。
※例の場合だと、チェックが入ると「TRUE」、外すと「FALSE」という値がセル【C2】に自動で表示されます。
条件付き書式で塗りつぶしを設定する
- 色を変えたいセル（例：B2）を選択します。
- 「ホーム」タブ → 「条件付き書式」 → 「新しいルール」の順にクリックします。
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。
- 数式欄に「=$C$2=TRUE」となるように入力します。
- 「書式」をクリックし、塗りつぶしの色を選んで「OK」をクリックします。
これで、チェックボックスにチェックが入るとセル【C2】が「TRUE」になり、対象のセル【B2】が自動的に塗りつぶされます。
チェックボックスの状態に応じた色付けの設定方法については、下記の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
Excel(エクセル)でチェックボックスを活用した色付け・塗りつぶしの方法
チェックボックスの連動 応用テクニック
チェックボックスをセルと連動させることで、関数と組み合わせた集計ができるようになります。
ここでは、COUNTIF関数とSUMIF関数を使って、「チェックが付いた商品だけを集計する方法」をご紹介します。
今回は、下記の例でそれぞれの関数を使った集計方法を解説します。
【準備】
A列には「商品名」、B列には「単価」、C列にはチェックボックスを配置し、D列の各セルはC列のチェックボックスと連動させています。
また、表とは別にCOUNTIF関数とSUMIF関数の結果を表示する表を用意しています。
※今回は、連動したセルに表示される「TRUE」または「FALSE」の表示をわかりやすくするため、チェックボックスを配置するセルと、リンクさせるセルを別にしていますが、チェックボックスを配置するセルとリンクさせるセルを同じセルにすることも可能です。
COUNTIF関数を使った集計方法
それでは、チェックボックスとセルを連動させて、購入予定の商品がいくつあるかをCOUNTIF関数で数えます。
COUNTIF関数の構文は
「=COUNTIF（範囲, 検索条件）」
となっています。
COUNTIF関数は、指定した範囲の中から条件に一致したセルの個数を数えることができます。
今回の例では、「チェックが入った数＝TRUEと表示された連動したセルの数」となりますので、D列に表示された「TRUE」の個数を数えることで、チェックマークが入力された商品の個数を数えることができます。
セル【B11】に「=COUNTIF(D2:D9,TRUE)」となるように入力し、「Enter」を押して確定します。
これで、チェックが付いた「TRUE」の個数を数えて、購入点数を集計することができました。
COUNTIF関数の詳しい使い方については、下記の記事をご覧ください。
COUNTIF・COUNTIFS関数 使い方 | 複数条件指定 | ワイルドカード | 以外 | 空白
SUMIF関数を使った集計方法
それでは次に、チェックボックスとセルを連動させて、購入予定の商品の合計金額をSUMIF関数で計算します。
SUMIF関数の構文は
「=SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)」
となっています。
SUMIF関数は、指定した範囲の中から条件に一致したデータを検索し、合計範囲で指定したセル範囲の中から検索したデータと同じ行の値のみを使って計算をすることができます。
今回の例では、「チェックが入った数＝TRUEと表示された連動したセル」と同じ行にある単価のみを使って合計金額を計算します。
セル【B12】に「=SUMIF(D2:D9,TRUE,B2:B9)」となるように入力し、「Enter」を押して確定します。
これで、チェックが付いた「TRUE」と同じ行にある単価だけを足して、購入点数分の金額を合計することができました。
SUMIF関数の詳しい使い方については、下記の記事をご覧ください。
Excel｜SUMIF関数使い方｜条件に合った値の合計を出す
SUMPRODUCT関数を使った集計方法
前述した例は、個数が1個の場合でしたが、下記のように個数が「1」以外の場合もあると思います。
このような場合は、個数をCOUNTIF関数関数、合計金額をSUMIF関数で求めることができません。
個数がある場合の関数の入力方法も知っておくと良いでしょう。
個数の合計は「SUMIF関数」
まず、個数の合計を求める場合は「SUMIF関数」で求めます。
考え方としては、「TRUE」が表示されている行に入力されている個数の数値だけを合計するという条件付きの足し算になるので、今回の個数の集計は「SUMIF関数」になります。
セル【B11】に「=SUMIF(E2:E9,TRUE,C2:C9)」となるように入力し、「Enter」を押して確定します。
これで、「TRUE」と同じ行に入力された個数だけを合計することができます。
合計金額は「SUMPRODUCT関数」
次に合計金額ですが、今回のように「単価」と「個数」で金額を計算するには「単価×個数」となるように掛け算を使う必要があります。
さらに、各商品の掛け算の結果をすべて合計することで合計金額を求めることができます。
掛け算と合計を行う場合は「SUMPRODUCT関数」を使用します。
SUMPRODUCT関数の構文は
「=SUMPRODUCT(配列1,配列2,配列3,...)」
このようになっています。
通常、SUMPRODUCT関数では、「配列 × 配列」の単純な掛け算と合計をすることが可能です。
例えば、「=SUMPRODUCT(A1:A2, B1:B2)」と入力した場合、「A1×B1+A2×B2」の計算を行うことができます。
しかし今回は、「TRUEになっているデータのみ計算をしたい」という条件があるので、SUMPRODUCT関数の応用で入力する必要があります。
セル【B12】に「=SUMPRODUCT((E2:E9=TRUE)*B2:B9*C2:C9)」となるように入力し、「Enter」を押して確定します。
※「=SUMPRODUCT((E2:E9=TRUE)*B2:B9*C2:C9)」と入力することで条件の指定が可能です。
これで、「TRUE」と同じ行に入力された単価と個数だけを使って金額の合計を出すことができます。
この入力方法であれば、間違えて個数に数値が入っていても、チェックボックスがオン(チェック状態がTRUE)になっていなければ、計算の対象となりません。
誤って数値を入力ていた場合でも、チェックマークが付いたデータのみ集計することが可能です。
チェックマークを付ければ、「TRUE」となり、集計の対象になります。
エクセルのチェックボックス連動 まとめ
いかがでしたか？
エクセルのチェックボックスの基本から、セルとの連動方法、さらにはCOUNTIF関数やSUMPRODUCT関数を使った応用的な集計解説しました。
チェックボックスは、一見すると少し難しそうに見えるかもしれませんが、基本的な仕組みと設定方法を知れば便利なツールです。
今回の内容を理解しておくことで、例えば「欲しいものリスト」や「タスク管理表」「在庫チェックリスト」など、日常的にも仕事でも使える場面がたくさんあります。
さらに、関数と組み合わせることで、チェックが入った項目だけを集計するなど、自動化や効率化につなげることも可能です。
操作のポイントとしては、「チェックボックスとセルを連動させる」ことで、チェックの状態（ON/OFF）を「TRUE」「FALSE」という値に変換し、それを関数や条件付き書式に活用できる点をしっかり押さえておくと良いでしょう。
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