MOSにはスペシャリストとエキスパートの2段階のレベルがあります。
MOSの取得を検討している方には、「いきなりエキスパートを受けていいものか」「スペシャリストから段階的に取得するべきなのか」で悩んでいる方も多い印象がありますよ。
そこで今回は、MOSをどちらで取得するべきなのか悩んでいる方のために、スペシャリストとエキスパートの性質の違いについてご紹介します。
より上のレベルが求められる試験
例えば、エクセルでは、マクロ機能を利用して簡単な作業を自動化させたりVBAに関する知識が問われたりするバージョン(2003)がありました。
VBAとは、エクセルで利用できるプログラミングのことです。
マクロは、エクセルを使用している人が実際に作業をした内容をエクセルに覚えこませるものでした。
しかし、VBAはマクロで覚えこませるよりも複雑な作業を直接エクセルに指示することで、使用者の作業を楽にできるのです。
このような形で、業務の改善などに大いに役立つけれど、使いこなすのに高度な技術を要求されるものについての試験がエキスパート試験です。
「オフィスソフトでこんなことができるなんて、想像もしなかった…!」という内容も多いかもしれないですね。
MOSスペシャリストは実務に即した試験
MOSスペシャリストは、実務に即した試験ですね。
スペシャリストの試験範囲の内容には「あ!この表(文章)って自分で作れるんだ!」という内容が多くあります。
例えば、エクセルなら2つの値を参考にして集計データを出す「ピボットテーブル」。
ワードなら「図表、写真が挿入された案内状」、パワーポイントなら「アニメーションや動画が挿入されたプレゼン資料」など。
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ウインドウズを出している会社がマイクロソフトであり、マイクロソフトが公認の資格がMOSだからです。
また、会社が業務で使用するソフトが、マイクロソフト社のワードやエクセルといったソフトである場合が多いです。
日常の業務で使用するソフトの資格のため、勉強すると知識やスキルをそのまま仕事に活かすことができます。
「見たことはあるけれど、実際に自分で作ったことはなかった」「職場では『この部分は触らないで!』とロックがかかっていた」資料や書類を自分で作れるようになるのが、スペシャリストです。
エキスパートとスペシャリストの出題範囲比較
エキスパートとスペシャリストの出題範囲の比較をしていきましょう。
最初にお伝えしますが、MOS試験科目のうちで上級資格のエキスパートがあるのは、ワードとエクセルの2科目だけです。
パワーポイント、アクセス、アウトルックにはありませんのでご注意ください。
受験者の多い、MOS2013で比較しますね。
エクセル
スペシャリスト
- ワークシートやブックの作成と管理
- セルやセル範囲の作成
- テーブルの作成
- 数式や関数の適用
- グラフやオブジェクトの作成
エキスパート
- ブックの管理と共有
- ユーザー設定の書式やレイアウトの適用
- 高度な機能を使用した数式の作成
- 高度な機能を使用したグラフやテーブルの作成
- ブックの管理と共有
- ユーザー設定の書式やレイアウトの適用
- 高度な機能を使用した数式の作成
- 高度な機能を使用したグラフやテーブルの作成
エクセルもワードと同じように、スペシャリストは「見栄えのする表やグラフを作成・編集すること」に重点がおかれ、エキスパートは「関数やレイアウトの設定をし、フォーマットを整えること」に重点がおかれていますね。
MOS・Excel エキスパートの難易度などについては、こちらの別記事にまとめています。
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MOS Excel2016エキスパートの難易度・合格率・合格点を人気講師が解説
今回の記事は「MOS Excel2016エキスパートの難易度・合格率・合格点」について書いております。
エキスパートはどのくらい難しいのか気になっている方が多いと思います。
難易度・合格率・合格点について詳しく解説してみました。続きを見る
ワード
スペシャリスト
- 文書の作成と管理
- 文字・段落・セクションの書式設定
- 表やリストの作成
- 参考資料の適用
- オブジェクトの挿入と書式設定
エキスパート
- 文書の管理と共有
- 高度な機能を使用した文書のデザイン
- 高度な機能を使用した参考資料の作成
- ユーザー設定のワード要素の作成
まずは、ワードです。
スペシャリストが、「文書を作成すること」に重点をおいた内容になっているのに対して、エキスパートは、「文書を管理すること」つまり「文書フォーマットの作成や共有文書の管理」に重点をおいた内容になっています。
実務上では、エキスパートレベルの人が作成した文書フォーマットを使用して、スペシャリストレベルの人が文書を完成させるイメージですね。
MOS・Word エキスパートの難易度などについては、こちらの別記事にまとめています。
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MOS Word2016エキスパートの難易度・合格率・合格点を人気講師が解説
今回の記事は「MOS Word2016エキスパートの難易度・合格率・合格点」について書いております。
Word2016エキスパートがどのくらい難しいのか気になっている方が多いと思います。
難易度・合格率・合格点を詳しく解説してみました。続きを見る
MOSエキスパートは上級クラスの試験
MOSエキスパートは、スペシャリストよりも上級クラスの試験です。
それだけいってもわかりづらいですよね(苦笑)。
後ほどエキスパートとスペシャリストの試験範囲の比較もご紹介しますよ。
MOSエキスパート試験は、スペシャリストに求められるよりも高度な内容の理解が求められます。
エキスパートレベルは業務改善がスムーズに
スペシャリストは、「今ある業務をよりスムーズにこなす」「今ある業務にちょっとしたエッセンスを加えて時間を短縮する」ためのテクニックに関する試験です。
エキスパートは、「今ある業務を根本から改善する」「新しいフォーマットを作る」テクニックに関する試験ということです。
エキスパートレベルのテクニックが頭に入っていて、しっかり使いこなすことができれば、かなり業務改善することができます。
いきなりエキスパートでも大丈夫?
あなたの試験を受ける目的は何ですか?
いきなりエキスパートの受験も大丈夫です。
ですが、目的は何でしょうか?
スキルをあげる為というお話であれば、「スペシャリスト」から取得する方が良いでしょう。
基本的に、「スペシャリスト」と「エキスパート」は全く異なる問題です。
確かにスペシャリストよりも上のレベルの問題が出てきますが、関連性があるわけではありません。
スペシャリストとエキスパートはまったく異なる問題です
要は、「エキスパートを持っているからと言って、スペシャリストレベルは勉強しなくても理解できている」とはならないです。全く別物とお考え下さい。
なので、「エキスパートがスペシャリストを網羅している」と考えた上で「エキスパートだけ取得」というのであればやめたほうが良いです。
そうではなくて、会社の上司に「エキスパートをとりなさい」といわれたけど、スペシャリストも持っていないのにいきなりエキスパートで大丈夫?というご心配であれば、大丈夫です。
いきなりエキスパートの問題を行なっても問題ないです。
MOS資格を勉強したいけど、どんな方法がある?
実際に取得するにはどうしたら良いのでしょうか?
基本的には「本」を使っての独学か、パソコン教室での学習を行なうのが良いでしょう。
パソコンが比較的得意だと思われる方は独学が良いでしょう。
合格する為の学習方法があります。詳しくは別記事で書きました。
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MOS資格は独学で取得できる?|パターン別4つの具体策公開
この記事はMOS資格を独学で合格できる秘密の方法について書いたものです。
MOS資格を取りたいがどのように勉強していけばよいかわからないと多くの方に言われます。
「MOS資格を独学で合格できる秘密の方法」を書いているので参考にしてみてください。続きを見る
あなたが、パソコンは苦手だと思われるようであれば、パソコン教室に通われるほうが良いでしょう。
実は、本当のオススメは独学よりも、パソコン教室に通うことです。
確かに独学でも勉強すれば合格できるのですが、あくまでも合格できるという結果しか残りません。
本来の資格取得の目的は何でしょうか?
「履歴書に書ける」というのも一つの目的かもしれませんが、最も大切なのは「使いこなす」という事ではないでしょうか?その為にMOS資格を取得されるかと思います。
まとめ
MOSスペシャリストとエキスパートの違い、わかりましたか?
簡単にまとめると、スペシャリストは、「今ある業務をスマートにこなす」ことができる試験です。
エキスパートは、「今ある業務を根本から改善する」能力を磨く試験ということです。
たまに「どうせ受けるなら一気に上級試験を攻める!」という方がいらっしゃいますが、記事内でご紹介したように、スペシャリストとエキスパートでは習得できるテクニックが全然違います。