今回の記事はExcel(エクセル)のセルを結合する方法についてお話します。
表を作成するときに役立つ機能の一つにセルの結合がありますが、意外とわかりにくかったり、入力した文字が消えてしまうなど、苦戦してしまうという方も多いです。
特に細かい設定は必要ないものの、選択がうまくいかないとなかなかスムーズにできないのがセルの結合です。
そこで今回は、パソコンやエクセルの初心者の方にもわかりやすいセルの結合方法についてご紹介します。
セルの結合ってなに?必要なの?
エクセルは1つ1つのセルで部屋が分かれています。
そしてちょっと厄介なのが、どこか1つの列の幅や、行の高さを変更してしまうと、その列の幅は全部同じ、その行の高さも全部同じ…というように、融通が利かないんです。
下記の例を見てみましょう。
結合なしで作成することもできますが、一番長い文字列に合わせて列の幅を調整すると・・・やっぱりちょっとカッコ悪いですよね。
そこで便利なのがセルの結合です。
いかがでしょう。
セルを結合して作成することで、バランスの取れたキレイなレイアウトになりましたね。
このように結合がうまくできるようになると、効率もアップしますし、資料もとってもきれいに仕上がります。
方法はいくつかありますが、一番わかりやすく、操作しやすい方法をご紹介しますね。
セルの結合の種類や違い・使い分け
種類一覧
一言で「セルの結合」といっても結合の種類があります。
「ホーム」タブ→「配置」グループに表示されている「セルを結合して中央揃え」の横の▼をクリックすると、一覧が開きます。
- セルを結合して中央揃え
- 横方向に結合
- セルの結合
の3種類の結合方法と、「セル結合の解除」が表示されます。
まず、それぞれの「結合」のボタンを押すとどのようになるのかを紹介します。
結合して中央揃え
「セルを結合して中央揃え」をクリックすると、選択したセルが1つになり、さらに、文字列がセルの真ん中に配置されます。
横方向に結合
「横方向に結合」をクリックすると、選択したセル範囲が行単位で横方向に結合されます。
また、文字列の位置は変わりません。
セルの結合
「セルの結合」をクリックすると、選択したセルが1つのセルに結合されます。
セルの結合のみで、文字列の配置は変わりません。
このように3種類の結合のボタンには結合される範囲や、結合した後の文字列の位置に違いがあります。
結合してコピーも可能
結合したセルは、コピーをすることも可能です。
結合したセルをドラッグしてコピーします。
結合された状態で、コピーすることができます。
結合された状態で、横方向にコピーすることも可能です。
もちろん、文字列の入力されていないセルを空欄のまま結合したり、結合してコピーすることもできます。
【基本】セルの結合とエラーメッセージ
セルの結合はここをクリック
ホームタブから行うことができるセルの結合方法には
- セルを結合して中央揃え
- 横方向に結合
- セルの結合
この3つがあります。
割と多くの人がやりがちなのが、何でもかんでも「セルを結合して中央揃え」を使ってしまうことです。
「セルの結合=セルを結合して中央揃え」という感じで、結合したい時はそれを押す・・・という方が意外と多いです。
しかし、それだと「予定と違った」「文字が消えた」「時間がかかる」といった状況に陥ってしまうこともあります。
大切なのは、それぞれの結合方法の違いを理解して、目的に合った結合方法を選択することです。
まずは、それぞれの結合方法の違いを解説します。
セルを結合して中央揃え
一番よく使われる結合方法です。
というのも、ボタンとして見えているので、一番よく押されます。
この結合方法のポイントは
- 選択した範囲のセルを1つに結合する
- 文字の配置を中央揃えにする
この2つの書式が適用されるということです。
この結合方法を使う場面は、「選択した範囲のセルを1つにして、文字を真ん中にしたい時」です。
正しい使い方
まずは、正しい使い方です。
今回は、上記のように6つのセルを1つにして、文字の位置も真ん中に配置したい場合です。
結合させたいセル範囲を選択して、「セルを結合して中央揃え」をクリックします。
すると、選択したセルが1つに結合され、文字の位置が中央揃えになりました。
間違った使い方
続いて、間違った使い方です。
上記のようにセルを結合させたい場合です。
セル範囲を選択して「セルを結合して中央揃え」をクリックします。
すると、メッセージが表示されます。
このまま「OK」をクリックしてみましょう。
選択したセルが1つに結合されて、セルのど真ん中に文字列が1つだけ表示されました。
実は、先ほど表示されたメッセージは
選択されている範囲のセルを1つにまとめますよ?
でもデータが複数入っていて、セルを1つに結合すると全部のデータを活かすことができないので、左上にあるデータだけ残して表示しますけど、良いですか?
という内容だったんです。
セルは1つになるのに、データを複数残せないので納得です。
このような時に便利なのが、隠れている「横方向に結合」です。
横方向に結合
横方向に結合は、「セルを結合して中央揃え」の右側にある▽をクリックすると表示される、一覧の中にあります。
この結合方法のポイントは
- 選択した範囲のセルを行単位で横方向に結合する
- 文字の配置はそのまま
この2つがポイントです。
この結合方法を使う場面は、「選択した範囲のセルを横方向に結合したい時」です。
行単位で実施してくれるので、まとまった範囲に一気に操作を加えたい場合に便利です。
横方向に結合したい範囲を選択して、結合方法の一覧から「横方向に結合」をクリックします。
すると、選択した範囲内のセルが行単位で横方向に結合されました。
結合はされましたが、文字列の位置は、左揃えのままです。
行単位で処理されるので、このように複数の範囲を指定しても効率よく結合をすることができます。
セルの結合
セルの結合は、「セルを結合して中央揃え」の右側にある▽をクリックすると表示される、一覧の中にあります。
この結合方法のポイントは
- 選択した範囲のセルを1つに結合する
- 文字の配置はそのまま
この2つがポイントです。
使用頻度としてはあまり多くないかもしれません。
この結合方法を使う場面は、「文字列の位置はそのまま、選択した範囲のセルを1つに結合したい時」です。
「セルを結合して中央揃え」との違いは、文字列の配置が左揃えのままか、中央揃えにするかです。
セル範囲を選択して、セルの結合をクリックします。
文字列は左揃えのまま、セルが1つに結合されました。
セルの結合を解除する方法はこちら
セルの結合方法はとっても簡単です。
まずは、セルの結合を解除したいセル、またはセル範囲を選択します。
選択できたら、「セルを結合して中央揃え」をクリックします。
これで結合が解除されます。
一応、「セルを結合して中央揃え」の所で一覧を開くと、一覧の中にも「セル結合の解除」があります。
こちらを使用しても同じように、結合が解除されますが、一覧を開く手間がかかるので、そのまま「セルを結合して中央揃え」をクリックした方が早くて簡単です。
んあぜ、結合の解除に「結合のボタン」をクリックするのか・・・と疑問に思うかもしれませんが、すでに何かしらの方法で結合がされているので、それをオフにするというイメージです。
実践編:セルの結合 操作手順
それでは実際の操作手順について詳しく解説します。
今回は下記の例でご紹介します。
冒頭にお話ししたように、エクセルは1つの列幅を広げたり狭くすると、その列すべての幅に影響が出ます。
セルの大きさをあらかじめ小さくして結合して作成することで、キレイに作成することができます。
結合した状態
結合する前(結合を解除)の状態
こちらが結合を解除した状態です。
実際には、すべてのデータや数式を入れる前に、作りながら適切なタイミングで結合しながら作ることが多いと思います。
それでは、この例を使って、結合方法について説明します。
セルを結合して中央揃え
一番使う頻度が多い結合です。
ホームタブの「配置」グループにあります。
▽印で一覧を開くことなく、ダイレクトに「セルを結合して中央揃え」という文字の上をクリックすることができます。
結合前はこんな感じです。
これを結合して・・・
このように仕上げていきます。
では解説します。
まず、結合したいセル範囲を選択しましょう。
今回はセル【B2】からセル【K3】までを範囲選択しました。
選択ができたら、ホームタブから「セルを結合して中央揃え」をクリックしましょう。
これで、先ほど選択したセル範囲が結合さて、文字列が中央に配置されました。
続いて、右側のセル範囲を結合してみましょう。
今回はセル【N2:O2】、セル【N3:O3】、セル【P2:S2】、セル【P3:S3】の4ヵ所を結合して中央揃えにします。
まず、セル【N2:O2】を選択しましょう。
続いて、そのほかのセル範囲を選択しますが、普通に選択すると複数範囲を同時に選択できないので、Ctrlキーを押しながらそれぞれのセル範囲を選択します。
範囲の選択ができたら、キーボードの「F4」キーを押しましょう。
「F4」キーを押すことで、直前の作業(今回の場合はセルを結合して中央揃え)が繰り返し適用されます。
選択したそれぞれのセル範囲が結合され、文字列が中央に配置されました。
※Ctrlキーを押しながら選択が難しい場合は、1つ1つ選択して、結合して中央揃えをしてもかまいません。
罫線を引くと見やすくなりますね。
さらに、文字の大きさや塗りつぶし、罫線のデザインを変更すると、見た目もキレイになります。
横方向に結合
次は、選択したセルを横方向に結合する方法です。
結合前
こちらが結合する前の状態です。
結合後
こちらが結合後です。
「横方向に結合」を活用することで、効率よくセルを結合することができます。
では、手順を説明します。
まず、横方向に結合したいセル範囲を選択します。
今回はセル【B19:C25】を選択します。
選択したら、「セルを結合して中央揃え」の右側にある▽をクリックして、一覧を開きます。
一覧の中から「横方向に結合」をクリックします。
すると、選択した範囲内のセルがすべて、横方向に結合されました。
では、同様の方法でそれぞれのセルを横方向に結合させましょう。
今回は、セル【D19:E25】、セル【F19:K25】、セル【L19:N25】、セル【Q19:S29】、セル【M26:P27】、セル【L28:P29】を選択します。
選択できたら「F4」キーを押します。
これで、選択したセル範囲がそれぞれ横方向に結合されました。
罫線を引くとこのようになります。
さらに、罫線の種類や色、文字の配置も整えると見た目もキレイに、分かりやすくなります。
Excel(エクセル)|セルを結合する方法の画像解説
こちらでは、セルの結合方法について、ザックリとわかりやすいイラストで解説しています。
下記を開いてご覧ください。