Excelは、MicrosoftのOfficeソフトの中でもビジネスでの使用頻度が高く、数式や関数、グラフの作成などのスキルを求められることが多いです。
関数は、単純に計算をするだけの物ではなく、集計する時にも便利なものがあります。
今回の記事は「エクセルのCOUNTIFS関数(カウントイフス関数)」について紹介したいと思います。
リストの中から複数の条件に一致したセルの数を数えることができる関数で、「○○の場合」にセル数える「COUNTIF」と違い「○○で△△の場合」といった複数の条件を満たしたセルを数える時に使用します。
自分で数えるよりも関数の方が圧倒的に早く、非常に便利な関数で、資料の作成にも役立ちます。
countifやcountifsに関する関数を知りたい方は下記をご覧ください。
Excel(エクセル)| COUNTIF(カウントイフ)関数の正しい使い方|基本から応用まで
COUNTIFS(カウントイフス)関数の使い方|動画解説付き
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COUNTIFS関数の構文はこちら
COUNTIFS関数の構文は
=COUNTIFS(範囲1, 検索条件1, 範囲2, 検索条件2, ...)
となっています。
「範囲1」と「検索条件1」が2つで1組となっていて、「範囲1」の中から「検索条件1」を探す…という組み合わせを複数指定することができます。
これによって、COUNTIFS(カウントイフス)関数では、通常、AND条件を指定して、条件① かつ 条件②の両方の条件を満たしたデータの個数を数えることができます。
COUNTIFS関数を使えば、大量のデータから必要なデータの個数を素早くカウントすることができるためとても便利です。
また、このCOUNTIFS関数を応用すると、OR条件を指定して条件①または条件②を満たすデータの個数を数えることも可能です。
それぞれの使い方を解説します。
2つの条件に一致するデータを数える方法
今回の例では、表の中から「20代」かつ「神奈川県出身」のデータの個数を数えます。
「○○かつ△△の条件に一致したデータの個数を数える」という、複数条件に一致したデータを数えるのがCOUNTIFS関数の基本的な使い方になります。
今回は、
=COUNTIFS(F3:F16,"神奈川県",D3:D16,"<30")
という数式を入れると、20代の神奈川県出身の人数を数えることができます。
COUNTIFS関数の入力方法
まず、セル【I2】にCOUNTIFS関数を挿入します。
半角入力モードで「=cou」と入力すると、関数の候補が表示されるので「COUNTIFS」をダブルクリックまたは「Tab」キーを押すと挿入されます。
「=COUNTIFS(」まで入力が出来たら、数式バーの左側にある「fx」をクリックします。
「関数の引数」ダイアログボックスが表示されます。
引数の各入力欄に、必要な内容を入力します。
「検索条件範囲1」にカーソルがあることを確認し、「年齢」のセル範囲を選択します。
次に「検索条件1」の欄に比較演算子を使って「<30」と入力します。
※今回の表では、20代以上のデータが入っているため、「30未満」と条件を指定することで、20代の条件を指定することができます。
次に「検索条件範囲2」の入力欄に移動します。
入力欄を移動すると、先ほど「検索条件1」で入力した「<30」に自動でダブルクォーテーションが付き、「"<30"」となります。
「検索条件範囲2」に移動したら、「出身地」のセル範囲を選択します。
「検索条件2」に移動し、「神奈川県」と入力します。
入力が出来たら「OK」をクリックします。
※「神奈川県」は文字列なので本来であればダブルクォーテーションが必要ですが、ダイアログボックスを使って入力をすると、このまま確定をしても自動でダブルクォーテーションが付きます。
これで、「年齢」の範囲から「30未満」、かつ、「出身地」の範囲から「神奈川県」の2つの条件に一致する人数を数えることができました。
1つの条件に一致するデータを数える方法
COUNTIFS関数は、複数の条件に一致するデータの個数を数えることができるように引数が用意されていますが、必ずしも2つ以上の条件を指定しなければならないというわけではありません。
「検索条件範囲1」と「検索条件1」だけを使い、1つの条件に一致するデータの個数を数えることも可能です。
今回は、埼玉県出身の人数を数えます。
手入力でCOUNTIFS関数を入力する方法
まず、「=COUNTIFS(」となるように入力します。
「検索条件範囲1」に、「出身地」のセル範囲を選択します。
続けて、半角カンマを入力して引数を区切ります。
次に「検索条件1」を入力します。今回は「埼玉県」のセルの個数を数えるため、「"埼玉県"」と文字列をダブルクォーテーションで囲んで入力します。
入力が出来たら「Enter」キーを押して確定します。
※手入力で行う時は、文字列を自分でダブルクォーテーションで囲む必要があります。
これで、結果が表示されました。
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指定した数値の範囲に一致するデータを数える方法
COUNTIFS関数では、複数の条件を指定することができます。指定する条件は最大で127組まで可能です。
今回は、30代の女性の人数を数えます。
「30代」を正しくカウントする場合は、「年齢」の範囲から「20歳以上」「30歳未満」の2つの条件が必要で、さらに、「性別」から「女」と入力されたセルの個数を数える必要があります。
今回は、比較演算子を使って「20歳以上」「30歳未満」、文字列で「女」、この3つの条件を指定します。
比較演算子を使って「以上」「未満」などの条件を指定
「=COUNTIFS(」まで入力が出来たら、数式バーの左側にある「fx」をクリックし、「関数の引数」ダイアログボックスを表示します。
「検索条件範囲1」に「年齢」のセル範囲、「検索条件1」の欄に比較演算子を使って「>=30」と入力します。
これで、1つ目の条件「年齢の範囲から30以上」が指定できました。
続いて「検索条件範囲2」に「年齢」のセル範囲、「検索条件2」の欄に比較演算子を使って「<40」と入力します。
これで、2つ目の条件「年齢の範囲から40未満」が指定できました。
続いて、3つ目の条件「性別・女」です。
「検索条件範囲3」に「性別」のセル範囲を選択して入力します。
次の入力欄が見えない時、次の入力欄に移動したい時は、キーボードの「Tab」キーを押すと、次の入力欄に移動することができます。
「検索条件3」の欄に「女」と入力します。
これで、3つ目の条件「性別の範囲から女」が指定できました。
入力が出来たら「OK」をクリックします。
これで、年齢の範囲から30以上40未満(30代)、性別のセルから女性の3つの条件に一致する人数を数えることができました。
○○または△△ 条件が重複しないデータを数える方法
OR条件で条件が重複しないデータを数える
COUNTIFS関数は、AND条件で「○○かつ△△」というようにすべての条件に一致したセルの個数を数えることが多いですが、OR条件を指定して「○○または△△」というように、いずれかの条件に一致したデータの個数を数えることも可能です。
今回の例では、「部署名」から「総務部」または「人事部」のデータの個数を数えます。
一見、「=COUNTIFS(E3:E16,"総務部",E3:E16,"人事部")」と入力をすれば数えることが出来そうですが、これだと「総務部かつ人事部」になってしまうため「0」になってしまいます。
このような場合は、
=COUNTIFS(E3:E16,"総務部")+COUNTIFS(E3:E16,"人事部")
と入力します。
1つ目のCOUNTIFS関数で部署名の範囲から「総務部」を数え、さらに2つ目のCOUNTIFS関数で部署名の範囲から「人事部」を数えます。
(総務部の)「3」+(人事部の)「2」で「3+2」となり、データの個数が「5」となります。
これで、「総務部」または「人事部」の人数を数えることができました。
○○または△△ 条件が重複するデータを数える方法
今回の例では、「営業部または東京出身の人数」のデータの個数を数えます。
こちらも同じくOR条件になりますが、
先ほどと同じように「=COUNTIFS(E3:E16,"営業部")+COUNTIFS(F3:F16,"東京都")」と入力してしまうと「12」という結果が表示されてしまいます。
上記の表を見ると「営業部」かつ「東京出身」の人もいますので、重複して数えてしまうためです。
このような場合は、
「=COUNTIFS(E3:E16,"営業部")+COUNTIFS(F3:F16,"東京都")-COUNTIFS(E3:E16,"営業部",F3:F16,"東京都")」
と入力します。
前半の「=COUNTIFS(E3:E16,"営業部")+COUNTIFS(F3:F16,"東京都")」で「営業部」のセルの個数と「東京出身」の人数をセルの個数を数えます。
後半の「COUNTIFS(E3:E16,"営業部",F3:F16,"東京都")」で「営業部かつ東京出身」のセルの個数を数えます。
それを引き算で「12」-「3」となり、結果が「9」となります。
これで、「営業部」または「東京出身」の人数を数えることができました。
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