エクセル・VBA

マクロ ボタンが実行できない原因と対策を徹底解説

2023年10月3日

今回の記事では、マクロが実行できない時の原因と解決方法について詳しく解説しますので、ぜひ参考になさってください。

マクロの基本的な作り方などについては、下記のマクロ関連の記事で紹介していますので、そちらもご覧ください。

VBAとは?マクロとの違いを合わせて解説

初心者向け|エクセルのマクロの作り方・使い方・ボタンの作成まで解説


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マクロのボタンで実行できない

マクロのボタンをクリックしても実行できないという時は、まずボタンに登録されているのが、何のマクロなのかを確認しましょう。

もしかしたら、複製したときにマクロの登録をし直し忘れている可能性もあります。

その他にも、マクロ自体に慣れていないうちは「登録していたマクロそのものを削除してしまっていた」などの可能性もあります。

とりあえず、原因が何なのかを確認するために、「ボタンに登録されているマクロ」と「マクロの一覧にボタンに登録したものがあるか」から確認しましょう。

それでもうまくいかない場合は、VBAの知識がないと細かい修正などは難しいので、マクロをもう一度記録してボタンを作成する方が無難と言えます。

マクロを記録したら、ボタンを作成する前に、「開発」タブにある「マクロ」のボタンから、記録されている一覧を確認して、記録したマクロが問題なく動くかをチェックしてから、ボタンを作成するのがおすすめです。

マクロを実行できない原因と対処法

マクロを含むファイルを開いた時、マクロが使えるはずのファイルを開いても、マクロが使えないという場合があります。

実行できない原因はいろいろありますが、今回はよくある例と対処法を紹介します。

セキュリティ警告メッセージが表示された場合

マクロを含むファイルを開くと、「セキュリティの警告 マクロが無効にされました」というメッセージが表示されます。

初期設定では、マクロを含むファイルを開くとマクロが無効になるという設定になっています。

何かわからないまま「警告」なんて言葉を見ると、不安になりますし、スルーしたくなりますが、実はこのままだとマクロは無効なので使えません。

マクロを「無効」から「有効」にする方法

一番簡単な方法は「セキュリティの警告 マクロが無効にされました」というメッセージの右側にある「コンテンツの有効化」をクリックするだけです。

これで、セキュリティの警告が解除され、マクロを有効にすることができます。

この方法で解除した場合、次回以降同じファイルを開いても警告のメッセージが表示されなくなるので、最初の1回だけ有効にすればOKです。

今回だけ有効にする方法

今回だけ有効にして、次回ファイルを開いた時は無効にしたい場合の方法です。

「ファイル」タブをクリックし、左側の一覧から「情報」を選択します。

右側の「セキュリティの警告」にある「コンテンツの有効化」をクリックし、メニューの一覧から「詳細オプション」を選択します。

「Microsoft Office セキュリティ オプション」ダイアログボックスが開きます。

「このセッションのコンテンツを有効にする」にチェック マークを入れ、「OK」をクリックします。

これで、セキュリティの警告が解除され、今回だけマクロを有効にすることができます。

そもそも警告を出さずに「有効」に設定する方法

実は「警告」の表示は、表示させないようにすることもできます。

しかし、まずなぜ警告が表示されるのかというと、マクロは自分で作ったものだけではなく、状況によっては、外部からエクセルのファイルをもらってダウンロードしたり、インターネットでどこかのサイトからダウンロードするなど他の人が作った物を開くことがあります。

この時、マクロにウイルス感染のリスクがあり、開いた瞬間からマクロが有効になっていると思わぬトラブルを招いてしまう可能性もゼロではありません。

そういったセキュリティの観点からマクロが無効で開かれているということを理解しておきましょう。

マクロの設定の変更は、「ファイル」タブをクリックし、「オプション」を選択します。

この時、一覧に「オプション」がない場合は「その他」をクリックすると「オプション」があります。

「Excelのオプション」ダイアログボックスが開いたら、左側のメニューの一覧から「トラスト センター」を選択し、右側の「トラストセンターの設定」をクリックします。

「トラストセンター」のダイアログボックスが開くので、左側のメニューの一覧から「マクロの設定」を選択します。

「すべてのマクロを有効にする(推奨しません。危険なコードが実行される可能性があります)」を選択すると、すべてのエクセルファイルのマクロが開いた瞬間から有効にすることができるので、警告は表示されなくなります。

しかし、ウイルス感染のリスクがあるので、基本的には設定しない方がおすすめです。

選択肢の中から設定を選んだら「OK」をクリックします。

「Excelのオプション」ダイアログボックスに戻るので、さらに「OK」をクリックします。

これで、マクロの有効または無効の設定をすることができます。

ダウンロードしたファイルが有効にできない場合

インターネットやメールでダウンロードしたマクロを含むファイルを開くと、エクセルの画面の上部に黄色いバーが入り、「保護ビュー:注意―インターネットから入手したファイルは、ウイルスに感染している可能性があります。編集する必要がなければ、保護ビューのままにしておくことをお勧めします」というメッセージが表示されます。

もちろん、インターネットのよく分からないwebサイトからダウンロードしたファイルが本当に安全なのかはわかりかねますが、仕事などで知り合いからメールで送ってもらったファイルは信頼できるので安全だと思い、メッセージの横にある「編集を有効にする」をクリックすると…

黄色から赤色の警告バーに変わり、「セキュリティ リスク:このファイルのソースが信頼できないため、Microsoft によりマクロの実行がブロックされました」という表示に変わってしまいます。

どこの誰からもらったファイルということがわかっていても、このようにマクロが無効になってしまうと非常に困ります。

メッセージの横にある「詳細を表示」しても有効化することはできず、クリックすると、Microsoftのサポートページが開きます。

ダウンロードしたファイルを有効化する方法

まず、マクロの実行がブロックされたファイルを開いている場合は、一度閉じましょう。

次に、マクロの実行がブロックされたファイルを右クリックします。

メニューの一覧から「プロパティ」を選択しましょう。

「全般」のタブの一番下にある「セキュリティ」の項目の「許可する」にチェックマークを入れます。

チェックを入れたら「OK」をクリックします。

これでもう一度ファイルを開いてみましょう。

次は「セキュリティの警告」の黄色いバーが表示され、「マクロが無効にされました」というメッセージが表示されます。

「コンテンツの有効化」をクリックすると、マクロが有効になります。

マクロがチェックされないように信頼できるサイトとして登録する方法

例えば、会社のサイトやサーバーなど、特定のネットワークを共有したり、確実に信頼できる場所からダウンロードする際に、毎回マクロがチェックされ、解除の手順を踏むのは手間がかかります。

このような場合は、Windowsに指定のサイトを信頼できるサイトとして登録することができます。

登録をすると、そのサイトのすべてのマクロが信頼できるものとしてみなされますので、確実に安全な場合のみ設定の実行をするのがおすすめです。

まず、Windowsキーを押すか、画面上のスタートボタンをクリックし、「インターネットオプション」と入力します。

「インターネットオプション コントロールパネル」をクリックすると、「インターネットのプロパティ」のダイアログボックスが開きます。

「セキュリティ」タブをクリックし、「信頼済みサイト」を選択します。

クリックすると、「サイト」ボタンが押せる状態になりますので、「サイト」ボタンをクリックします。

「信頼済みサイト」ダイアログボックスが開きます。

URLを入力したら「追加」ボタンをクリックし完了したら「閉じる」を選択し、「OK」をクリックします。

これで、設定を変えることができました。

そもそもマクロの作成方法は?

Excel(エクセル)はOfficeソフトの中でもビジネスでの使用頻度も高く、データの分析・集計など日常の業務で繰り返しする作業も多いことがあります。

毎日決まった流れの操作をしていたり、月末の締め作業などでいつも同じ作業をするということもよくあります。

そんな時に活用されているツールがマクロです。

マクロは、プログラミングの知識が必要なVBAとは違い、専門的な知識がなくても使うことができるため、エクセルのスキルがある人はマクロを利用して作業効率化をするのがおすすめです。

マクロのボタンを作成する方法

記録したマクロは、「開発」タブの「コード」グループにある「マクロ」のボタンから選択して実行することができますが、実行するたびに毎回その手順を踏むのはかなり手間で、時間ももったいないです。

マクロを記録したら、マクロを実行できるボタンを作成するのがおすすめです。

マクロのボタンの作成方法は2つあります。

  • 1つ目は「開発」タブから作成する方法
  • 2つ目は「図形」や「画像」をボタンにする方法

この2つの方法です。

開発タブから作成するボタンは、シンプルな手順で簡単に作ることができます。

一方、図形をボタンにする方法も手順は簡単ですが、ボタンの形や色などのデザインにこだわる人にオススメです。

どちらの方法も覚えておいて、作成する資料に合わせて使い分けると良いでしょう。

基本:開発タブから作成する方法

前述したように、この方法が基本となり、とりあえずボタンを作りたい人向けの作成方法です。

まず、「開発」タブをクリックし、「コントロール」グループにある「挿入」ボタンをクリックします。

メニューの一覧から「フォームコントロール」の左上にある「ボタン(フォームコントロール)」をクリックします。

シート上にマウスポインターを移動させると、ポインターが「+」に変わります。

シート上の好きな位置に、図形を書くときと同様の方法でドラッグしましょう。

ドラッグした大きさのボタンが作成されます。

ドラッグが終わると、「マクロの登録」ダイアログボックスが開きます。

登録するマクロを一覧から選択し、「OK」をクリックしましょう。

すると、「ボタン1」が作成されます。※この「ボタン1」は作ったのが何個目なのかによって「ボタン2」「ボタン3」と変わります。

ボタン名は編集状態になっているので、そのままテキストを編集します。

この時、ボタン名の入力が確定した後に、Enterキーを押すと、ボタン内で改行されてしまいます。

ボタン名の入力が終わったら、ボタン以外の場所をクリックすると、ボタンが完成し、クリックすると登録したマクロが実行されます。

開発タブから作成したボタンは書式変更できない?

開発タブからボタンを作成すると、一通りの手順が終わった時点でボタンが完成します。

この時、例えば、「もう少しフォントのサイズを大きくしたい」とか「フォントを太字にしたい」など、見やすくしたい場合、書式の設定をすることも可能です。

マクロのボタンを右クリックし、メニューの一覧から「コントロールの書式設定」を選択します。

すると「コントロールの書式設定」ダイアログボックスが開きます。

ここで、フォントの種類やサイズ、色などの書式を設定することができます。

設定が完了し、「OK」をクリックするとボタンの書式が変更されます。


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応用:「図形」や「画像」をマクロのボタンにする方法

好きな図形や画像をマクロのボタンにすることも可能です。

可愛いボタンが作りたい、カッコいいボタンが作りたいなど、好きな形や色のボタンを作りたいという人にオススメです。

まず、「挿入」タブの「図」グループにある「図形」選択し、好きな図形を挿入します。

画像の場合は、「挿入」タブの「図」グループにある「画像」選択し、「このデバイス」を選択すると保存してある画像を挿入することができます。

図形には文字列を入力することができますので、挿入した図形を選択し、そのまま文字を入力するとボタンの名前を入力することができます。

挿入した図形の色や枠線の色、文字の色やサイズ、位置を任意の書式に設定することができます。

ここは、単純に図形の書式設定なので、深く考えずに設定して大丈夫です。

書式の設定が終わったら、図形を右クリックします。

表示されたメニューの一覧から「マクロの登録」を選択しましょう。

「マクロの登録」ダイアログボックスが開きます。

一覧からボタンに登録するマクロを選択し、「OK」をクリックします。

これで、図形をマクロのボタンにすることができます。

図形や画像をボタンにするときの注意点

ここで注意が必要なのは、選択する図形によって文字列の入力が難しくなることがあるということです。

シンプルな四角や丸など、文字を入力するスペースがあるものは入力しやすいですが、例えば「スマイル」は顔と文字がかぶりますし、「十字形」は文字を入力すると縦書きになったりします。

あるいは、画像をボタンにする際も、直接、画像に文字を入力できません。

このように、文字が入力しにくい場合やできない場合は、別で「テキストボックス」を挿入し、文字列を入力して重ねた後、「グループ化」をすればうまくボタンにすることができます。

マクロのボタンを編集する方法

一度、マクロを登録してボタンになると、その後は、マウスポインターをボタンの上に持って行ったとき、ポインターが指のマークに変わります。

この状態でクリックをすると、「マクロの実行」がされてしまい、ボタンを選択することができません。

ボタンの選択をする場合は、「Ctrl」を押しながらクリックするとボタンを選択することができます。

選択ができると、ボタン名の変更や大きさの変更、移動が可能になります。

複数のボタンを作成する

複数のマクロを記録した場合、それぞれのボタンを作成する必要があります。

もちろん、前述した方法をマクロの個数分繰り返せばボタンを複数作成することができます。

しかし、ボタンの大きさを揃えたい時、1つ1つ作ると同じ大きさにすることは、かなり難しい操作になります。

そんな時に便利なのが、「ボタンの複製」です。

ボタンの複製方法は2つ

ボタンを複製する方法は大きく分けて2つあります。

  • コピーして貼り付ける方法
  • ドラッグして複製する方法

この2つです。

まず、それぞれの「ボタンをコピーする方法」について解説します。

コピーして貼り付ける方法

まず、「Ctrl」を押しながらボタンをクリックし、選択した状態にします。

そのまま「ホーム」タブの「クリップボード」グループにある「コピー」をクリックします。

そのままの状態、もしくは貼り付けたい位置のセルをクリックし、「ホーム」タブの「クリップボード」グループにある「貼り付け」をクリックします。

これで同じ大きさのボタンを作成することができます。

コピーと貼り付けは、それぞれ「Ctrl」+「C」と「Ctrl」+「V」のショートカットキーを使ってやることも可能です。

ドラッグして複製する方法

まず、「Ctrl」を押しながらボタンをクリックし、選択した状態にします。

ボタンの枠線(直線部分)にポインターをかざすと十字の矢印に変わります。

その状態で「Ctrl」を押しながらドラッグすると、同じ大きさのボタンを作ることができます。

ドラッグして複製する際に、真横や真上など水平方向や垂直方向に複製したい場合は、「Ctrl」と一緒に「Shift」を押しながらドラッグすると、位置がぶれることなく複製することができます。

複製したボタンは必ずマクロの登録をし直す

複製されたボタンは、元となったボタンに登録されているマクロもそのまま複製されます。

なので、ここからボタンに登録するマクロを変更する必要があります。

まず、複製したボタンを右クリックします。

メニューの一覧から「マクロの登録」を選択します。

「マクロの登録」ダイアログボックスが開きますので、一覧からボタンに登録するマクロを選択し、「OK」をクリックします。

これで、複製したボタンのマクロを変更することができます。

ボタンの配置する位置に気を付ける

ボタンはシート上であればどこにでも配置することができます。

ただ、ここで気を付けたいのが、マクロに記録した手順に「抽出」があった場合です。

「抽出」は条件に一致したデータのみを表示する機能ですから、そのマクロを実行した際に条件に一致しなかった行が非表示になります。

この時、ボタンが一緒に非表示になってしまう可能性があります。

ですので、「抽出」の記録をしたマクロのボタンを配置する際は、影響が出ない「見出しから上の行」の範囲に配置をするようにしましょう。

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