エクセル・VBA

Excel(エクセル)|SUM関数でエラーを無視して合計を求める方法を解説

エラーを無視してSUM関数で合計を出す

「SUM関数で合計を出したいのに、結果が『#VALUE!』や『#N/A』になってしまう…」そんな経験はありませんか?

数値以外のセルやエラーを含む範囲を指定すると、SUM関数はうまく計算できず、エラーを返してしまうことがあります。

ほんの1つのセルにエラーがあるだけで、全体の合計が出せなくなるのは困りますよね。

こうしたときに、「エラーを無視して合計を出す方法」を知っておくと、集計作業をスムーズに進めることができます。

わざわざエラーを探して修正しなくても、正しい数値だけを自動で合計してくれるので、作業時間を大幅に短縮できます。

そこで今回の記事では、SUM関数では無視できないエラーを回避しながら正しく合計を出す方法を、わかりやすく紹介します。

AGGREGATE関数・SUMIF関数・IFERROR関数を使った3つの方法を順に紹介し、それぞれの特徴や使いどころも詳しく説明していきます。

ぜひ参考になさってください。


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SUM関数はエラーを無視できない

まず、結論として、SUM関数は、参照先のどこかにエラーがあると合計を出せず、そのエラーをそのまま返します。

なぜ、そうなるのかというと・・・

関数は「引数」を評価してから計算する仕組み

「SUM」関数は呼び出されると、まず指定された引数(セルや範囲)を順番に調べて「これが計算に使える数値か」を確かめます。

SUM関数の構文(書き方)は次の通りです。

=SUM(数値1, [数値2], ...)

各引数は

  • 数値1:最初の合計対象(セル番地・数値・範囲など)
  • [数値2]:追加の合計対象(省略可能)
    (以降も同様に複数指定できます)

関数は「与えられた引数が正しく評価できるか」を確認してから合計を計算します。

ここで「評価できない」値、つまりエラーがあれば、その時点で計算を続けられません。

エラーは「正しくない値」の合図で、見つかると計算を停止してそのエラーを返すということなんですね。

エラーは「計算できない値」として扱われる

「エラー」は単なる表示の問題ではなく、コンピュータにとっては “計算できない特別な値” です。

例えば、範囲を指定して合計する場合(例:=SUM(A1:A5))に、範囲内のどこか(例:セル【A3】)にエラーがあると、SUMはそのエラーを検出して「合計を出せない」と判断します。

したがって、合計の代わりにそのエラー(例えば #VALUE! や #N/A)をそのまま結果に返します。

エラーを無視して計算を続けた場合、間違った合計が出るかもしれません。

エラーをそのまま返すことで「どこか問題があるよ」と明確に知らせる役割があります。

よく見るエラーと、なぜSUMに影響するか

#VALUE!

  • 意味:計算に使える値ではない(例:数式で文字列が混じっている、数値を期待した場所に文字がある等)。
  • なぜ影響するか:SUMは数値を合計する関数なので、範囲内に「数値でないもの(エラー)」があると合計できません。

#N/A

  • 意味:参照や検索で該当が見つからなかった(例:VLOOKUPなどの検索で値が見つからない)。
  • なぜ影響するか:検索で見つからない値は「結果としてエラー」を返すため、それを含むとSUMもエラーになります。

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SUM関数のエラーを無視して合計を出す方法

前述したように、「SUM」関数は参照範囲の中にひとつでもエラーがあると、合計を出せずにエラーを返してしまいます。

しかし実務では、集計表などで一部のセルにエラーが含まれていても「それ以外の数値だけ合計したい」という場面があります。

そんなときに便利なのが、「エラーを無視して合計を出す方法」 です。

代表的な3つの方法としては、

  • AGGREGATE関数を使う方法
  • SUMIF関数を使う方法
  • SUM関数とIFERROR関数を組み合わせる方法

このような方法があります。

AGGREGATE関数を使った方法

「AGGREGATE関数」は、合計・平均・最大値などのさまざまな集計を行う関数です。

特徴は、「エラー値や非表示セルを無視できる」ことです。

つまり、「範囲内にエラーがあっても正しく合計を出したい」というときに非常に便利です。

たとえば、範囲【A1:A10】の中に #N/A などのエラーが混じっていても、AGGREGATE関数を使えば、エラーを無視して合計を求めることができます。

AGGREGATE関数の構文は、

=AGGREGATE(集計方法, オプション, 参照1, ...)

となっています。

各引数の意味は

  • 集計方法:どの種類の集計を行うかを、番号で指定します。例:合計、平均、最大値など。
  • オプション:エラー値や非表示セルなどを無視するかどうかを設定します。
  • 参照1:集計対象となるセル範囲を指定します。

このようになっています。

■集計方法の番号一覧(1~19)

番号関数名特徴
1AVERAGE関数平均値を求める
2COUNT関数数値が入力されているセルの個数を数える
3COUNTA関数空白でないセルの個数を数える
4MAX関数最大値を求める
5MIN関数最小値を求める
6PRODUCT関数積(かけ算の結果)を求める
7STDEV.S関数標本に基づいて予測した標準偏差を求める
8STDEV.P関数母集団の標準偏差をを求める
9SUM関数合計を求める ←★合計を出すときに使用
10VAR.S関数標本に基づく、分散の予測値を求める
11VAR.P関数母集団全体に基づく分散を求める
12MEDIAN関数中央値を求める
13MODE.SNGL関数最頻値を求める
14LARGE関数n番目に大きい値を求める
15SMALL関数n番目に小さい値を求める
16PERCENTILE.INC関数指定した百分位数を求める
17QUARTILE.INC関数四分位数を求める
18PERCENTILE.EXC関数0%と100%を除いた範囲の百分位数を求める
19QUARTILE.EXC関数0%と100%を除いた範囲の四分位数を求める

 

■オプション番号の一覧(1~7)

番号内容
0ネストされているSUBTOTAL関数およびAGGREGATE関数を無視する
1非表示の行、ネストされているSUBTOTAL関数およびAGGREGATE関数を無視する
2エラー値、ネストされているSUBTOTAL関数およびAGGREGATE関数を無視する
3非表示の行とエラー値、SUBTOTAL関数およびAGGREGATE関数を無視する
4すべてを検索対象とする
5非表示の行を無視する
6エラー値を無視する ←★エラーを無視して合計したいときに指定
7非表示の行とエラー値を無視する

このように、AGGREGATE関数は「どの集計を行うか」と「どの要素を無視するか」を細かく指定できるため、単純な合計以外にも応用が効く、とても柔軟な関数です。

 

AGGREGATE関数の使い方

AGGREGATE関数の構文は「=AGGREGATE(集計方法, オプション, 参照1, ...)」となっていますので、

  1. 「=AGGREGATE(」と入力します
  2. 集計方法を指定します(合計を求める場合は「9」を指定)
  3. オプションを指定します(エラーを無視する場合は「6」を指定)
  4. 合計する数値が入力されたセル範囲を選択します
  5. 数式の内容を確認し、「Enter」キーを押して確定します

数式例:「=AGGREGATE(9,6,D2:D6)」

★ポイント★

  • AGGREGATE関数は、SUM関数の上位互換のようなもので、エラー値や非表示セルを「無視するかどうか」を選べるのが強みです。
  • オプション番号「6」を使えば、範囲内にどんなエラーがあっても、正常な数値だけを集計してくれます。
  • 同じ状況で普通のSUM関数を使うとエラーになりますが、AGGREGATE関数を使えばその問題を回避できます。


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SUMIF関数を使った方法①

「SUMIF関数」は、特定の条件に当てはまるセルだけを合計する関数です。

たとえば「100円以上の商品の合計を出す」「売上が0より大きいデータだけを足す」といったように、条件付きで合計を求めたいときに使います。

SUMIF関数の構文は

=SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲)

このようになっています。

各引数の意味は

  • 範囲:条件を調べるセル範囲を指定します。
  • 条件:合計するための基準を指定します(例:「">0"」「"=東京"」など)。
  • 合計範囲:実際に合計したいセル範囲を指定します。省略した場合は「範囲」と同じ範囲が合計されます。

このような意味になっています。

エラーを無視して合計を出す仕組み

通常、範囲内にエラー(#N/A や #VALUE!)があると、SUM関数では合計ができません。

しかしSUMIF関数で 条件を「">0"」 と指定すると、「0より大きい数値だけを探して合計」するため、エラーを自動的に無視してくれます。

入力例:=SUMIF(D2:D6,">0",D2:D6)

この数式では、範囲【D2:D6】の中から 0より大きい数値だけを対象にして合計します。

エラーがあるセルは数値として認識されないため、条件に一致せず、自然に除外される 仕組みです。

SUMIF関数またはSUMIFS関数の使い方については、下記の記事で解説していますのでご覧ください。

Excel|SUMIF関数使い方|条件に合った値の合計を出す

Excel(エクセル) | SUMIFS関数の使い方 | 複数条件の合計方法

★ポイント★

  • エクセルでは、エラー値は「数値」ではないため、条件「">0"」に当てはまらず、結果的に合計から外れます。
  • そのため、わざわざIFERROR関数などでエラー処理をしなくても、SUMIF関数だけで「エラーを無視した合計」が求められます。
  • 条件を「">0"」とすることで、エラーだけでなく、「0以下の値(マイナスの数値)」も除外できるという特徴があります。

SUMIF関数を使った方法②

SUMIF関数は、「特定の条件に合うセルだけを合計する」関数で、先ほどは条件に「0より大きい」を指定した方法で、エラー値を無視して合計を求めました。

今回は、条件にエラー値そのものを指定する方法で紹介します。

ここでのポイントは、条件にエラー名を指定できるという点です。

指定したエラー値を無視して合計を出す

たとえば、セルの中に「#N/A」エラーがある場合、条件を「"<>#N/A"」と指定すれば、「#N/A」以外のセルだけを合計できます。

つまり、エラーのあるセルを無視して合計したいときに、この方法がとても便利です。

条件の「<>」は「〜ではない」という意味なので、「"<>#N/A"」は「#N/Aではないセルを対象にする」という指定になります。

入力例:=SUMIF(D2:D6,"<>#N/A",D2:D6)

SUM関数とIFERROR関数を組み合わせる方法

SUM関数で合計を出すときに、範囲内にエラーがあると「#VALUE!」などのエラーが出てしまいます。

そんなときに便利なのが、IFERROR関数です。

IFERROR関数を使うと、「エラーが出たときに代わりの値を返す」ことができます。

IFERROR関数の構文は

=IFERROR(値, エラーの場合の値)

このようになっています。

各引数の意味は

  • 値:計算したい数式やセル範囲
  • エラーの場合の値:エラーが出た場合に代わりに返す値(例:0、空白など)

となっています。

SUM関数にIFERROR関数をネストする

このIFERROR関数をSUM関数の中に組み込むことで、「エラーがあるセルは0として扱い、他のセルだけを合計する」ことができます。

入力例:=SUM(IFERROR(D2:D6,0))

この式では、D2:D6の中でエラーになっているセルを「0」として扱い、残りの数値を合計します。

ただし、この数式は配列数式になるため、入力後に 「Ctrl」+「Shift」+「Enter」 を押して確定します。
(数式バーに波かっこ {} が自動で付きます。)


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エラーを無視して合計を出すポイント

いかがでしたか?

今回紹介した「エラーを無視して合計を出す3つの方法」は、どれも目的は同じでも使い方や特徴が少しずつ異なります。

どの方法も知っておくことで、データの内容や状況に応じて柔軟に対応できるようになります。

まず、AGGREGATE関数は「合計」「平均」「最大値」など、さまざまな集計を行える万能型の関数です。

オプションで「エラーを無視する」設定ができるため、数値以外が混ざっている表でも正確に合計が出せます。

関数1つで完結するので、シンプルに使いたい場合や、ほかの関数に慣れていない方にもおすすめです。

一方、SUMIF関数は条件を指定して合計を出せるのが特徴です。

今回のように「0より大きい」「#N/Aを除外」など、条件を設定して柔軟に集計できます。

データの中から「特定の条件に当てはまるものだけ合計したい」ときに便利です。

条件を工夫すれば、エラーだけでなく空白やマイナス値なども除外できます。

そして、SUM関数とIFERROR関数の組み合わせは、自由度の高い方法です。

エラーを「0」として扱うだけでなく、空白や特定の文字を条件に含めるなど、細かい調整が可能です。

これら3つの方法を理解しておくと、データにエラーが混在していても正しく合計を出せるようになり、作業の効率と正確性が大きく向上します。

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